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『1日10分のしあわせ』を読みました。
『NHK国政放送が選んだ日本の名作 1日10分のしあわせ』
朝井リョウ
石田衣良
小川洋子
角田光代
坂木司
重松清
東直子
宮下奈都
[双葉文庫]
なんて豪華な作家陣。
目当ての1人だった東直子さんの作品は、『とりつくしま』からでした。持っているけれど、前に読んだときとは状況が変わっていて、なんというかしみじみしました。前のほうが苦しかったです。なぜだかわかりませんが。
義母の死によって、死が身近になったけれど、怖くなくなりました。それは義母のおかげだと思います。祖父母と同居していなかったし、初めて最期を見届けた人でした。
知人、友人が亡くなったときはいつも突然で、ショックのほうが大きかったけれど、義母の場合は段階を踏んでくれた(?)ので、悲しみが徐々に深まっていった気がしました。覚悟もできたというか。それでも悲しみはおそってきたのですが。人生をまっとうした感があったんですよね。亡くなってからよく思えることばかりで。
お世話している最中は大変すぎて、もうダメだ…私がどうにかなる…と何度も思ったけれど。
だからなのか、そんなものだろうな、と割と冷静に物語を読めました。
ほかの話もどれもすてきです。特に好きだった話を挙げようと思ったけれど、無理でした。
私はのんびり過ごしているし、ぜんぜん疲れていないと思ったけれど、どの話もじーんとしみて、話によっては電車の中で泣きそうになって、ああ、私は疲れていたんだ、と思いました。
時間がないけれど本を読みたい、中断するのは嫌だ、短時間に物語に浸りたい、という人にオススメです。
ちゃんとどっぷり浸れます。
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