仲林自伝〜初恋5〜
ついにキンマウェブの連載が始まった。面白く無いと即、打ち切りと言うなかなか過酷なルールだが、どうにか少しでも長く続けられるように頑張りたい。今回は歌舞伎町で背負い投げをされた話を書いているのだが、全く蒼山さんに承諾を取っていない。ごめんね、蒼山さん。なんで謝っているのかわからない方はキンマウェブのコラムを見てもらえればわかると思う。
さて、本編にうつっていく。
春休みに突入すると、ホクトと言う友達とカイと言う友達の3人でよく遊ぶようになった。大体がカイの家でスマッシュブラザーズをすると言う、中学生らしい遊びをしていた。
ホクトは今医者をしている。頭が良く、両親も医者というエリート一家だ。年中、半袖半ズボンと言う奇怪な男であった。つい先日一緒に食事した時は、全く当時と変わっていくて安心した。当時は塾も一緒で、2人とも一番上のクラス、数学と理科は仲林、他は北斗の方が成績が良く、争う仲だったが、現在では医者と麻雀プロ、そして既婚と離婚。すでに100馬身くらい離されてしまっている。もう1人争っていたヤツもいたが、そいつはパイロットになった。もちろん結婚して、幸せな家庭を築いている。
カイは俺たちのグループで最初に童貞を卒業した勇者だった。顔も小さくイケメンで、身長も180センチ、社長の息子と言うスーパーマンだった。強いて言うなら頭が悪いところ以外は完璧だった。
チャットでカナちゃんに、カイの家でよくゲームをしていると言う話をしたら、私も行きたいとのことだったので、カナちゃんも交えてスマブラをすることになった。
しかしながら、3人の中で一番スマブラが下手な仲林は、どうにかしてスマブラを上手くなれないかと考えた。ゲームといえばうちの兄貴に聞くのが一番だ。その日も魔王の部屋のドアを叩いた。
ドアが開くと煙でも巻き上がっているのではないかと言う異臭がする中、魔王が顔を出した。スマブラを強くなりたいから、修行をしてくれ、そう伝えると渋々中に入れてくれた。
それから異臭が放つ精神と時の部屋で、仲林は修行を積んだ。実際の精神と時の部屋は空気の濃度が4分の1ではあるが、仲林家の精神と時の部屋は100倍くらいになっている。もしこの部屋で悟飯が修行をしていたら、耐えきれず逃げ出したと思う。今頃セルに地球は乗っ取られてしまっていた可能性が高い。本当に良かったと思う。
精神と時の部屋で修行を積む仲林。もちろん兄貴はスマブラがめちゃくちゃ強かった。友達もいないのにどうやって強くなったのか疑問に思った。ずっと1人で、コンピューター相手にゲームをしていて強くなるものだろうか。今考えるとこの男は龐煖だったのだろう。1人、山の中で武を追求する武神龐煖。キングダム史上最強の武を持った男として描かれ、私に顔が似ている最強の大将軍王騎さえも打ち破った、信にとっての最大の敵だ。これ以上はネタバレになるので話すのをやめるが、兄貴は現代の世に生まれ変わり、アニメとゲームにハマった龐煖なのだ。
それからと言うもの、龐煖と毎日スマブラをやり、最初は5回死ぬ間に1回しか倒せなかったのが、1週間で2回死ぬ間に1回くらいは倒せるようになった。精神と時の部屋で龐煖と修行を積んだ仲林は、ついに戦(いくさ)の日を迎える。
靴紐を硬く結び、戦場へと向かう仲林。カナちゃんと待ち合わせをして、歩いて2分のカイの家に向かう。
そして、全員が集まり合戦が始まった。正直仲林があまりに強くなりすぎたため、誰も相手にならないレベルに達していた。途中からはハンデということでプリンでやっていたが、龐煖はネスとプリン使いだったため、プリンの動きも理解していた。
仲林の圧勝で終わったスマブラ大会だった。
18時くらいに解散をすると、カナちゃんと帰り道が同じ仲林は一緒に歩いて帰った。ちょっと遠回りをしていかないか?と井の頭公園に向かった。仲林は告白をする気だったのだ。
スマブラでめちゃくちゃカッコいいところをみせた仲林は行けると思っていた。あの、カイとホクトを赤子のように扱っていたのだ。惚れないはずがない。
たわいもない話をしながら井の頭公園を歩いた。どのタイミングで告白をするか、なんていう言葉で伝えるか悩みに悩んでいた。
井の頭公園を半分くらいまわっただろうか。そこで意を決して、カナちゃんに話しかけた。
「俺、カナちゃんのことが好きだ。付き合って欲しい。」
カナちゃんは驚いた顔をし、考えていた。5分くらい時間が経っただろうか。カナちゃんがついに口を開いた。
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