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地球の裏側で

澄んだ空、碧い海、太った鳩。

外国ならではの甘い香水の香り。

初めて降りる、異端の地“テネリフェ島🏝️”。
飛行機は合計30時間ほど。北極の上を通るため電波が通じない時間がしばし。日本でいう沖縄、ヨーロッパのバカンスの地らしい。ほぼ裸なのでは?という人で溢れていた。

今年の2月から3月の1ヶ月間、
先輩とのご縁もあり海外で合宿をした。
初めての経験、合う言葉が見つからないほど濃い日々だった。

チェコのチームメイトと合流、選手7人。
čau! と挨拶を交わし、未開拓の世界に踏み出す。


「世界は広い」
この地では、面白いことに日本の情報が全く入ってこない。ユーロ圏ではYahooも見れない。何を言ってるか分からないテレビの討論をとりあえず見た。何で揉めているかも分からないが、最後にハグをしていた。外国らしい。

チャンネルを回す。
コメディ番組があった。大人数でのコント。これも何を言ってるかわからないが、不思議と面白かった。ボディランゲージってこういうことか!
パイを投げつけてスタンディングオーベーションが起きていた。

そして通じるのはスペイン語のみ。
チームメイトはチェコ語。話せて英語。トレーナーとは日本語。4つの言語が飛び交う、何この状況。言語の壁がこんなにも高いとは想定外!
誰か、英語だけでも良い勉強法教えてくれませんか?


トレーニングは午前、午後の2部練習。プラスで毎朝6時に4km走ることに。←このジョグが1番キツかった。年下のチームメイトに「こんなの朝飯前だよ!」と言われた。一本取られた感じがした。

全く違う環境はとにかく新鮮だ。何気ない日常でさえも五感を刺激する。
ただ休みのないトレーニングはキツい、体力が回復しない笑
しかし、このサイクルをチームメイトは難なくこなしていた。タフすぎる。“ノーマル”らしい。

「ご飯食べて、練習して、ご飯食べて、寝て、練習して、ご飯食べて、寝る。幸せじゃないか!」

アスリートとして“当たり前”なこと。日本との違いを目の当たりにした。

陸上は現実が数字として出る。イヤでも向き合っていかないといけない。
顕著に出たのが、基礎体力の数値(走る、跳ぶ、投げる)。年下の子に何ひとつ敵わなかった。
日本ではあまり負けたことなかった種目さえ、結構な差をつけられた。

それが毎日続くと心が折れる笑

それは“伸びしろ”と表現されることもある。確かに伸びしろだ。そこの差を埋める努力をもっと、もっともっと、と考え始めたら熱が出そうになった笑

まだまだ道のりは険しい。
これを“挫折”と例えるには安すぎるが、自分の人生において“分岐点”と感じた。

ただ目標は明確になった。やるかどうかの問題で。結局必要になるので、やることになるが笑

1ヶ月やり切る、これだけでも収穫があった。色々と問題は起きたが、かなり凝縮された1ヶ月を過ごした。「海外へ行くと自信がつく」、嘘だと思っていたが本当だった。


楽しいこともあった。何より景色が綺麗。
見渡せば大西洋。住んでる動物は見たことないものばかり。鳴き声が奇声みたい。バッタが手のひらぐらい大きい。

大西洋

33時間の移動を経て、帰国した。

今まで見ていた世界ってすごいちっぽけだった。

アスリートと名乗っていいべきかも危うく感じる。

ホンモノを見て圧倒された。

このまま続けていていいのか?とも考えさせられた。

ただ気づいたことは、
自分が“やり投”が好きだということ。何故こんなにも執着しているのか、怒られ叩かれながらも続けていられるのか、気づけば反省会を開いてる、自分でも不思議だ。


“日常生活”が1番の練習。
毎日繰り返すことが定着していく、何かと見落としがちで、大事な部分。

思ったより人生は短い。
競技人生でいえば、10年あるかどうか。

今までやってきた10年と、折り返しの10年。

色んなものを見たい。

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