動画配信の歴史②かつてGoogleとAmazonに確執があった
以前の『動画配信の歴史』の記事リンクです。
『動画配信の歴史①』の内容は
・Blu-rayとHD DVDの新映像メディア規格戦争
・その争いの合間にネット動画配信の時代に突入
・レンタルビデオ業界はNETFLIX、Amazon Primeなどの動画配信に移行
といった内容。
今回の記事は、『ネット動画配信』を家庭の大画面テレビで見るメディアの紹介。
そして一時期あった、AmazonとGoogleの動画サービス締め出し問題についての記事を書こうと思います。
1.動画配信テレビ視聴デバイス
基本的には、端子を家庭用テレビのHDMI端子に挿すだけで、個人的に契約している様々な動画配信サービスをテレビ画面で見ることができます。
1-1.Amazon Fire TV
Amazonの動画配信テレビ視聴デバイスは、基本3種類。
Amazon Fire TV 「大画面で楽しもう」篇 Type A
新登場 Fire TV Stick 4K Max - Alexa対応音声認識リモコン(第3世代)付属 | ストリーミングメディアプレーヤー
・ストレージ 8GB
・メモリ 2GB
Fire TV Stick - Alexa対応音声認識リモコン(第3世代)付属 | ストリーミングメディアプレーヤー
・ストレージ 8GB
・メモリ 1GB
ハンズフリーTVはこちら:Fire TVCubeのご紹介
Fire TV Cube - 4K・HDR対応、Alexa対応音声認識リモコン付属 | ストリーミングメディアプレーヤー
・ストレージ 16GB
・メモリ 2GB
1-2.Google Chromecast
Googleのデバイスは、基本1種類。
Chromecast with Google TV 登場
Chromecast with Google TV(GoogleストアHP)
※この商品はなぜかAmazonショッピングサイトで扱っていない。
Google Chromecast 正規品 第三世代 2K対応 チャコール GA00439-JP
※Amazonで販売しているのはこちら。
※ストレージ、メモリ容量は不明。
また、Google製でなく、他社製(通称『ドングル』)でなら種類も価格も豊富です。
1-3.Apple TV
Appleの動画配信テレビ視聴デバイスは、基本2種類。
Apple TV 4K 32GB ¥21,800
Apple TV 4K 64GB ¥23,800
4K画質対応で、ストレージは32GBと64GB(メモリは非公開)
Apple TV HD(32GB)¥17,800
4K対応ではなく、HD画質。
ストレージは32GBのみ。
2.個人的に動画配信テレビ視聴デバイスを選ぶ基準
僕は以前、『Amazon Fire TV Stick 2015年モデル』を使用していました。
形状や、操作方法、接続方法などは、最新のFire TV Stickと変わらないはずです。
唯一変わったのは、現在は『Amazon Alexa』で、音声認識による操作ができるようになっています。
当時と今のWifi環境なども変わっていません。
ですが時折、動画再生が途中で停止して、再起動をして初めから視聴といったトラブルがありました。
面白い、楽しい映画などの映像を視聴している最中に、動画再生が停止した状態が何度も続いたら、
楽しい時間のはずが、逆に相当なストレスです。
Introducing Apple TV 4K 2021
現在は、『Apple TV 4K 32GB』に買い替え、そのようなトラブルは一切なくなりました。
再生中に動画が停止するトラブルが改善した理由として考えられるのは、
・内臓チップ
・搭載されている各社開発のOS
・Wifi環境
などにもよるとは思いますが、
操作性、動画再生がスムーズかどうか、リモコンやスマホでの操作に対しての反応速度など、
『サクサク動くかどうかは、ストレージ・メモリ容量による』と思っています。
Fire TV = 最大16GB、最小8GB
Apple TV = 最大64GB、最小32GB
これだけの差があり、それが『サクサク動くかどうか?』に大きく影響しています。
しかし僕が『Apple TV』に買い換えた理由は、もっと別の問題があったからです。
3.Amazon Fire TVでYoutubeが視聴できなくなった
2018年1月1日〜2019年9月頃まで、Amzazon Fire TV上で、Youtubeが見られないという事態がありました。
※実際には、それまでFire TV上で使えたYoutubeアプリが使えなくなると言う事態。
Youtubeにアップされている動画もFire TVを使うとテレビの大画面で視聴できると言うことで、これら動画配信視聴デバイスを利用しているユーザーも多いので、当時被害を受けたユーザーも少なくなかったはずです。
これはAmazonが意図的にGoogle関連のデバイスや、動画配信をAmazonから締め出したことが原因でした。
詳しく見ていきたいと思います。
・GoogleとAmazonの、企業としてのライバル関係
以前からGAFAと呼ばれていた、ビッグテック2社『Google』と『Amazon』は、強力なライバル関係です。
AmazonとGoogleは長年にわたって争いを続けてきた。
その結果、エンドユーザーに不便を強いてきた。
当時、AmazonのショッピングサイトではGoogle製のハードウェアがほとんど排除されていた。
Amazon Echo Show 10「ファミリー編」
【新型】Echo Show 5 第2世代- カメラ付きスマートディスプレイ with Alexa、チャコール
2017年 AmazonがGoogleに許可を得ずに、『Echo Show』にYouTubeプレーヤーを実装したことでも争いになった。
※YoutubeはGoogleの子会社。
そこでYouTubeは、Amazonからのアクセスを拒否。
AmazonはEcho ShowのユーザーにYouTubeのホームページを送信することでこの問題を回避した。
Amazon、Googleの両社が争えば、消費者が不利益を被る。
また問題なのは、AmazonとGoogleのような企業の場合、顧客層が重なっていると言うこと。
・Google Chromecastのユーザーでも、Amazonプライム・ビデオを見たい。
・Amazonショッピングサイトから、Google製品を購入したい。
・Amazon Fire TVのユーザーはYouTubeを見たい。
ロク・プレミア|シンプルなリモートおよびプレミアムHDMIケーブルを備えたHD / 4K / HDRストリーミングメディアプレーヤー
米国ではこうした成り行きから、中立的な『ロク(Roku)』が最も人気のストリーミングプラットフォームになった。
・詳細な沿革としては、
好きな時間へ、ひとっ飛び。| Amazon Prime Video 俳優篇 60秒
以前からGoogleは、Amazon Prime Videoを、Google Chromecastでサポートしていないかった。
つまり当時は、Google ChromecastではAmazon Prime Videoは視聴できなかった。
※しかしApple TVでは Prime Videoをサポートしていたはず。
そのため、
2015年 Amazonは、自社のショッピングサイトにて、『Chromecast』と『Apple TV』を販売しなくなった。
兼ねてから(2017年以前から)、Googleは、AIスピーカー『Google Home』や動画配信端末『Chromecast』などのGoogle製機器をAmazonショッピングサイトで取り扱っていないと不満を漏らしていた。
Google側はもともと、Amazon製端末に『YouTubeアプリ』を提供していた。
それなのに当時から、Amazon「プライムビデオ(Prime Video)」は、『Google Chromecast』上では利用できなかった。
さらにAmazonはGoogleのグループ企業であるスマートホーム機器メーカー『ネスト(Nest)』の一部の製品の販売も中止した。
Echo Dot (エコードット) 第4世代 - スマートスピーカー with Alexa、チャコール
Google HOME CM(30秒)2017.10
なぜならAmazonも、Googleと競合するホームセキュリティー関連の製品の開発・製造・販売を始めたからだ。
2017年 こうしたAmazonの行為によって、
「相互の関係が失われた」とGoogleは主張。
もはやGoogleも、報復的な戦略として『Fire TV』やスマートディスプレー『Echo Show』などのAmazon製機器上で、『YouTube』をサポートしないと発表した。
2017年12月 突如、Amazon製端末にYoutubeアプリの配信を中止すると発表。
※実際の配信停止は2018年1月1日から。
Fire TVでYouTubeを視聴するには、ウェブブラウザー経由でアクセスしなければならなくなった。
だが、ウェブブラウザーは公式アプリとは異なり、全ての機能を利用できない。
AmazonとGoogleの2社間で、お互いの製品上で、相手企業の動画配信を視聴リリースしないという締め出し作戦に出た。
・プライムビデオをグーグルの機器に提供
ところが、
2019年4月 突如両社は和解を発表。
それぞれの動画サービスを、互いの機器に提供することを明らかにした。
これにより、このほどようやくAmazonの『Fire TV Stick』、『Fire TV Cube』や『Fire TVソフトウエア』を搭載するスマートテレビなどでYouTubeのアプリが利用できるようになった。
一方、念願だった、『Google Chromecast』でも、『Amazon Prime Video』が利用できるようになった。
Android TV
さらにスマートフォンやタブレット端末用の『プライムビデオアプリ』からコンテンツを『Chromecast』にストリーミング転送できるようにした。
『Android TV OS』搭載のスマートテレビには、『プライムビデオアプリ』を順次提供していくという。
・Amazon vs Google、冷戦終結の背景
今回の冷戦終結の背景には、Google、Amazon以外の競合他社に対する両社の危機感があったはず。
Apple TV+ Preview — Watch Now
2019年3月25日 Appleは独自の『Apple TV+』と言う、Apple Originalの作品を楽しめるストリーミングサービスを開始すると発表。
高い評価を得ているシリーズ、心を奪われるドラマ、かつてないドキュメンタリー、子ども向けのエンターテインメント、コメディなどが勢ぞろい。ほかでは観られない新作も毎月登場する。
また、Apple TV+と同時に定額の月額料金で映像コンテンツを提供するビデオアグリゲーションサービスである『Apple TV Channels』が発表された。
このサービスはApple TV+と共に映像コンテンツを広く配信し、サービスの収益を増やすための活動の一環とされている。
Disney+ Trailer
2018年11月8日 ディズニー最高経営責任者(CEO)の『ボブ・アイガー』は、『Disney+』と名付けたサービスを、9月に開始が予定されていると報じた。
2019年9月12日 オランダで『Disney+』のトライアル版が利用可能になり、利用できるコンテンツが限定された。
Disney+はアメリカで9月に予約販売が開始され、発売と同時に7日間の無料トライアルが提供された。
2019年11月12日 アメリカ、カナダ、オランダの3か国でサービスが開始された。
2020年6月11日 日本で、ディズニーとNTTドコモとの既存のパートナーシップの一環としてサービスが開始。
『Apple』が独自の映像コンテンツを作成、配信を始める。
世界的映像会社大手『ディズニー』も独自のサブスク動画配信に参入。
もはやAmazonとGoogleで争っている場合ではなく、お互い手を組んだ方が得策と言う判断。
何よりも、消費者にとって制約がなくなる方がいいに決まっている。
お互いの企業同士の勝手な争いで、一番不利益を被るのは、結局エンドユーザーです。