評論家の勢古浩爾が『定年後に見たい映画130本』(平凡社新書 2022.6.15.)において以下のように記している。
「北野武が選ぶベスト10」において『2001年宇宙の旅』は『天井桟敷の人々』(マルセル・カルネ監督 1945年)に次ぐ第2位である。
コラムニストの中野翠は『コラムニストになりたかった』(新潮文庫 2023.2.1.)で以下のように記している。
因みに勢古は1947年生まれ、北野も1947年生まれで、中野は1946年生まれだから同世代なのだが、『2001年宇宙の旅』に関してこのような差が生じるのが不思議なのである。
そこで気になったのが勢古の以下の言及である。
どうも勢古は『2001年宇宙の旅』を映画館で観賞したことがないのではないのかと思う。『2001年宇宙の旅』という作品はストーリーを追うというよりも「映像を浴びる」ような体験をしてこそその価値が分かるはずで、それはテレビ画面では味わえないものであり、それは映画館でもDVDでも『2001年宇宙の旅』を観賞した筆者の実感でもある。