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とある大詩人のきらめく交友録であれ そこには暗澹が秘められているに違いない 広大なネガに、…
(※以下、若干ネタバレ注意?) 優しさのすべてなんてもらっちゃったら 気が狂って死んじゃ…
雲間から 静かに伸びて くる梯子 雲色の 糸から梯子を 紡ぐは蚕 壺の底から 手が伸び梯子に 掴…
泣き疲れて萎れた秒針が無謀にも進む ありふれた幸せが不遜にも空を包む かきくらす何某か…
暗雲垂れ込める夜には何を思おう 無力極まる四肢には何を希望しよう 半分ばかり顔覗かせるのは…
雨に濡れた窓。 雨に濡れた窓越し。 雨に濡れた窓越しに見る。 雨に濡れた窓越しに見る景色。 …
君を思えば 星々の狭間をのびのびと泳ぐ 鯨の姿が見えるのはどうしてだろう 暗がりに浮かぶ、星々が美しい そして光っているのだ、君の姿も 幸運にも君の姿を見た人は、 不思議と温かい気持ちに包まれる 自身も光であることに、 気づかせてくれる 君が行く先々に、咲きほこる花々が見える 君が行く先々の、光り輝く航路が見える とっておきの光をひとつ見つけた、いま 君はその光と一緒に、 どこまでもどこまでも広がる 星空の海をゆくのだ 静かに、穏やかに、けれども
ついつい自分のことを自慢げに話してしまうあなた それは、寂しいということ ついつい素敵な…
口をそろえて 誰も彼もが言うのです ここにはなんにもないと。 不思議なくらい、 どこにい…
もういっそうっちゃりたいんだけど。 いい加減誰かに世界は美しくなんてないだよっていうこと…
ただ誰かの背を受け止める ベッドだけが置いてある部屋。 なだらかな凹凸が認められる白い壁…
自分の孤独に無自覚でいる人。そんな人のそばにいる時ほど、哀しいことはない。 孤独に無自覚…
「あ」と言えば 「い」と言わなかった私が悲しむ かと思えば 「う」と言わなかった私も悲しん…
あなたは早朝に辿り着いた。 南欧の ぬくい空気を纏う街の とある安宿に。 あなたは目にした。 木製の玄関をくぐってすぐ アーチの向こうに見える中庭で なにかせっせと筆を動かしている彼を。 やあ。 ── やあ。 なにをしているの? ── 絵を描いているんだよ。 見せて! ── いいよ、ほら。 あなたは絵を思い出せない。 好きだと思ったことだけを 覚えている。 ── レコードを聴かないかい? 宿に置かれたレコードに あなたは共に耳を澄ませた。 ニーナ・