自然薯
自然薯が好きで、丸子へは何度も通った。
丸子のとろろは味噌仕立てであるので、少しクセがある。
私は味噌を使わない澄まし仕立てのとろろが好きなので、自宅で作りたいと思っている。
妻は『かぶれるタチ』なのであまりうちでとろろを作るのは積極的ではない。
自然薯が美味しい時期は採りたての晩秋か、冬掘りしたものを頂く春くらいまでかなと思っていた。
なかなか丸子まで行く機会がなかったものだから、つい農産物の直売処で見かけた自然薯を買っておいた。
そのまま、忘れていたのだが、この時期に、室内に山芋のツルが伸びてきて思い出したのだ。
だいたい植物は、芽が動き出したら養分が消費されてしまうので味が落ちてしまうものだが、今回の芋はしっかりしていたので、最盛期のものとまではいかないが、身はしっかりしていた。
私が、すり鉢を取り出したので、妻は観念して出汁を作り始めた。日高昆布と枕崎の鰹節だ。醤油はお気に入りの湯浅を使っている。
すりおろした自然薯を出来上がった出汁で適当に薄めてみた。
今日も美味しい料理をいただいた。自然に笑顔が浮かんでくるのがわかる。
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