発禁本
発禁本とは気になる言葉でして、禁止されるとなお、見たくなるのが人間の性ですね。
戦後 GHQ が発行禁止にした本が7000冊以上あると聞いて、どんなものか確認したくなりました。
偶然手にしたのが「日本二千六百年史」(大川周明)でした。
なんと、この本は GHQ によって発禁にされる前に軍部によって告発され、削除と訂正を求められた経緯がありました。
なにが為政者の気に触ったのだろうか、俄然調べてみたくなりました。
これが気に入らなかったのでしょう。
アメリカは立国して日が浅く歴史がほとんどありません。
中国には「天命思想」があり、新しい皇帝は前皇帝とその一族を全部抹消してしまい、遺跡はことごとく破壊し尽くすので、ほとんど継続的な歴史は残っていないのです。
この書籍では、「日本人は日本の真実の歴史を学ぶことにより、世界に冠たる国であり続けることができる」と解説されているように感じます。
為政者は自分より賢い被征服民を嫌い、愚民化政策を始めるのが常識です。
敗戦国日本が、永久に力を取り戻すことがないように、歴史教科書を書き換えてしまうのが、当然の処置だったのでしょう。
ただこの本の内容の重厚さに畏れを感じています。
一般に販売されている書籍は、一冊につき一個のテーマを述べているのがほとんどで、速読するなら、「終わりに」とか「まとめ」などを先に読み、遡って、一点集中で目的地を探すのが早いと思います。
哲学書などは特に注意が必要で、分厚い本であっても最初から最後まで「哲学とはなんだ」と言い続け、自分の考えを述べずに、過去の哲学者の言葉を並べるだけの、哲学書というよりも哲学史とよんだほうがよい物が多いですね。
三十章からなるこの「日本二千六百年史」は、どのページを開いても、軽く読み飛ばすことができない魅力的な言葉が並んでいます。
当てずっぽうに開いた第七章には
最近流行りの量子力学の作用についても、本質はここで述べられているようでもあります。
このような発禁本が復活されてきたということは、愚民化政策に嫌気がさした日本人の目覚めが始まりつつあることの証でしょう。