糖尿病
多くの糖尿病患者さんは空腹時の血糖値が高いと、前日の夕食を食べすぎたからとか、食後にデザートを食べたからと、初期時に原因を求めますが、そうではないのです。脂肪の多い食事を除いて、空腹時の血糖値に食事の影響はほとんどありません。(糖尿病はグルカゴンの反乱だった。p.68 稙田太郎)
今までの、糖尿病に関する陳述と全く立ち位置が違う。面白そうだなと手にとって読み始めたが、改めて姿勢を正して真剣に読むことにした。
友人に糖尿病で足の指を切断し、歩行困難になり、すぐに亡くなった方がいる。また社員に重度の糖尿病を患いインスリン注射を打っている者もいる。
世間では、これからは癌に次ぐ難病ということで糖尿病が問題視されている。
患者たちは、『治る見込みのない難病』と命名された糖尿病と、インスリンを使って折り合いをつけることに没頭している。
そしてそれを調節しているのは、肝臓へ流れる門脈血中のグルカゴンとインスリンの比なのです。どちらが相対的に多いかで、肝糖産生量が決まるからです。(糖尿病はグルカゴンの反乱だった。p.68 稙田太郎)
インスリンだけに目を向けていては治らない理由がこの本に明記されている。
あとがき: 長い歴史の中で、「インスリンの欠乏」が糖尿病の唯一無二の原因であり、病態と治療の中心であることは、世界の教科書に書かれた不可侵の”ドグマ”であったのです。この”ドグマ”に挑戦して、糖尿病の病像形成に「グルカゴンの過剰」が必須の条件(sine qua non) であることを解き明かした Rober H. Unger 教授らの業績は、糖尿病の概念を根底から覆し、糖尿病を新たな病気として生まれ変わらせる革命的発見でした。 すなわち、これまでインスリンの陰に隠れて日が当たらなかったグルカゴンが、インスリンの衰退を機に反乱軍となって猛威を振るい、糖尿病を致仕的な恐ろしい病気に変貌させる「カラクリ」を突き止めたのです。(糖尿病はグルカゴンの反乱だった。あとがき 稙田太郎)
沢山のデータと照らし合わせながらの解説で非常にわかりやすく書かれている書籍だ。食事の取り方まで言及されている。
私は好き勝手に暴食を続けているのに、糖尿病になっていないのは、書中にある食事に関する勧めに、あまり外れていない食事をしていたことに気づいた。
食品添加物を極力取らない、果物豆類が好き、味噌醤油は本物を使う、オリーブ油を取っている、発酵食品をたくさん食べる、ヨーグルトはプロバイオティクスの物、赤身の肉は食べない等、実践していることが多かった。
これは有意義な情報だと思ったので、2人の糖尿病社員用に2冊追加注文をした。希望のないインスリン注射を止めることができればこの上ない喜びだ。