音楽論

「絵はリズムだ」という言葉に引っかかり、曖昧な記憶の中から、『大岡昇平の言った台詞に違いない』と思い込み、探索を始めて長い時間が経過した。

自分は、まず音楽をはじめ、ジャズバンドのメンバーになり、絵画教室に通った。

自分なりの、絵とリズムに関する論理構成はできたが、やはり原点を探すことが大事だと考え直し、大岡昇平の本を集中的に集めはじめた。

今回は『音楽論集』を入手できたが中身が面白くて、深く読み込んでしまうので、なかなか先に進めない。

この時代の音楽だから、日本にはまだまだ外国の演奏家も少数しか来てない状態の中での論評なので、少し「？」と思うところもあるが、大岡昇平は非常に深い感性を持っておられるので感銘を受けている。

この本は音楽に特化した文を集めている。武満徹との対話が面白く、中原中也とか小林秀雄とかの関係も面白く読んでいるが、いまだに「絵はリズムだ」と言及した箇所には行き当たらない。

あと何年かかるかわからないが、面白い趣味を見つけたものだと自分ながら喜んでいる。