【随想】太宰治『HUMAN LOST』
あちこち寄り道してきた。
無駄だって、馬鹿だって、ひねくれているって、言い訳だって、弱虫だって、逃げているだけって、言われている、蔑まれている、同情されている、無視されている。
まともじゃないって、青臭いって、単なる卑怯者だって、言われている、呆れられている、知っている。
どうでもいいって、知っている。
でも、それこそ、そんなのどうでもいい。勝手にしやがれ。勝手に決めていろ、分かっていろ、高見の見物していろ、そして飽きたら、どっか行ってしまえ。
そんなのどうでもいい。お前なんか、どうでもいい。最初から、てんで相手にしていない。お前がそうであるように、オレもそうだ。相手にしていない。花丸も、100点も、5も、Aも、全部、全然問題ではなかった。
本当は、興味なんて無かった。有るような気がしていただけだ。無ければいけないと、信じることにしていただけだ。
本当は、そうだ。そうに決まっている。そうでなきゃ、説明付かない、今の、この、この状況、有様、状態、肉体、精神。
最初から、こうだった。だから今、こうなのだ。
断絶など、片時も無かった。失っていない、何も。加えても、引いても、切っても、くっつけても、いない。
こうだった。これが、始点にして終点、序論にして結論。
漸く、目が見えた。
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