胡桃のような石膏玉がぱかりと二つに割れたら
銀色の匙とくらげのどろどろしたスープ
そいつをかき混ぜると蘭のような強い香りが立ち
どろどろはさらさらに変わった
穂先が燃えている槍を三本も投げてきた
辛うじて躱したけれど周りは枯れ草ですっかり野火に囲まれた
ぐるりと囲まれたらもうどこを向こうと同じこと
同心円に弱点はない
思い切って真っ直ぐ突っ込む
ちりちりからぱちぱちにぼうぼうはめらめらへ
焼ける臭いと焦げる臭いは違うものだなあ
かき混ぜられて
そして蒸発して
陽炎は透明で湯気は白く
飛び込め湧水のポンド