冬の夜、駅から家まで20分間何もない一本道を肩をすぼめながら歩く

冬。雪がしんしんと降る札幌の郊外の住宅地。僕の実家はそこにある。
地下鉄の終着駅である僕の最寄り駅から、どれだけ歩いても景色のほとんど変わらない住宅街を20分ほど歩くとたどり着く分譲マンションだ。

高校生の頃、夜に最寄り駅から家に帰る時間が好きだった。とても静かで画一的なその道を、北海道の凍てつく張り詰めた空気のなか歩くことは、今思えばよい瞑想になっていたのだと思う。

その日あったことを思い出しながら。

晩ごはんはなんだろうと考えながら。

好きな音楽を聴きながら。

そして、多くの場合は特に何も考えずに、20分間、一本道をただただ歩いていた。

現在は東京に住んでいて、散歩をすると色々なものが目について「散歩が楽しい街だな」と思わされる。

でも、何もない場所を散歩するよさもあるな、と思い出した。

歳をとったのかな

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太郎
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