キラキラネームと十六島

キラキラネームが流行りだしたのはいつ頃のことだったのだろうか?

ウィキペディアによれば90年代半ばから増加し始めたという。一時、社会問題にもなったので、ぼくもよく覚えている。

ちなみに絶対読めないキラキラネームというサイトもあってそれを見ると、これは学校の先生も呼び方に困ったのだろうなと想像する。

1位は「男」と書いて「アダム」と読むという。ということは「女」と書けば「イブ」なのだろうか。

さすがにうちの子供たちが小学校に通う2010年代にもなると、その現象もやや落ち着きを取り戻し、これはちょっと読めないなぁという名前の子はいなかった。もっとも、出雲の田舎なので、都会ではまだまだキラキラネームは多いのかもしれないが。



ところで、みなさんはこの漢字を読めるだろうか?

十六島


これは出雲人でなければ、まず読めないだろう。

実はこれを「ウップルイ」と読む。

十六島は島根半島にある突き出した岬を指す。

この土地の名産に「十六島海苔」がある。

高級海苔としても有名で、正月の雑煮にはこの海苔と餅だけの汁を食べるのがぼくらの楽しみでもある。

さて、それではこの「ウップルイ」とは、どういう意味なのかというとよくわからない。

「十六島」の地名の由来については十六善神の伝説など諸説ある。
越振氏(おつふるし、うつぶるいし、うっぷるいし)は、伯耆国国人領主、室町時代には伯耆衆の一員として見える。『伯耆民談記』、『羽衣石南条記』には十六島の名で記されている。『雲陽軍実記』には、大永4年(1524年)に「十六島弥六左衛門」なる人物が尼子方の水軍の武将として毛利方との合戦中に戦死したと記されている。
古くは於豆振(おつふるひ)といった。海藻を採って打ち振るって日に乾す「打ち振り」がなまった説などもある[1]

ウィキペディアより

一説によれば外国の言葉を当てたのではないかともいわれている。

ただ古代の地理誌「出雲国風土記」には「ウップルイ」の記載はない。当時、この場所は楯縫郡の「許豆島(こづしま)」と呼ばれていた。ということは「出雲国風土記」完成時の733年にはまだ「ウップルイ」と呼ばれていなかったことになる。ということは平安時代以降の命名ということになる。



そこで、こんな由来を考えてみた。



昔々のことだった。

「許豆島(こづしま)」に源蔵という村一番の船乗りがいた。それはそれはたいそうな腕前で、出雲で源蔵に勝るものはいなかった。

源蔵夫婦には子がなかったが、老年にして初めて男の子を授かった。

源蔵はよほどうれしかったのであろう。誰にも似ていない名前を付けようと三日三晩考えに考えて、男の子の名を「ルイ」とした。

その当時、こどもにルイとつけたものはなく、ルイは村でからかわれ、いじめられて育った。次第にルイはぐれていった。

源蔵にもたてつくようになり、ことあるごとに「なぜ、こんな変な名前を付けたんだ!」と喧嘩になった。

あるとき、ルイはいつものように源蔵と激しい喧嘩になり、家を飛び出したきり帰ってこなかった。

源蔵の落胆は相当なもので、あれほどの腕前だった船乗りも休みがちになった。

それから数年がたった。

ルイは家を飛び出したものの行く当てもなく、物乞いのようなことをして生きていたが、こんなことならいっそ両親の元へ帰ろうと出雲に帰ってきた。

源蔵はルイが帰ってきたのを見て、血相を変えて飛び出してきた。親子涙涙の再開であった。

その晩、源蔵は喜びのあまり、近所の者たちを集めて、慣れない酒をたらふく飲み、酔いに酔いつぶれて「うっぷ」とげっぷが出た。数分置きに「うっぷ」というものだから、みんなは面白そうにからかった。しかし、源蔵は終始ご機嫌で、これからルイの帰還祝いにタイを釣ってくるといって船を出そうとした。

夕方の釣りは危険を伴うから、明日にでもいけばいいとみなは忠告したが、源蔵の腕前は知るところなのでどこかに安心もあった。しかし、それが源蔵の姿を見た最後であった。

ルイは毎日、海を見に行ったが源蔵は帰ってこなかった。

実に哀しい別れであった。ルイ、16歳の春のことだったという。

そして、のちに誰がいいだしたかこの島を「うっぷ・ルイ」とかいて「十六島」と読むようになったという・・・・・


って、なわけないか m(_ _;)m




全然、キラキラした話じゃなかったな(笑) by ヒトコトヌシ


最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

出雲にお越しの際は、ぜひ十六島海苔をお試しあれ♪

それではみなさん、また次回 (^^)


このヘッダー画像はhikariさんの画像をお借りしています。ありがとうございました。



こちらでは出雲神話から青銅器の使い方を考えています。

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