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〈ムーン・リバー〉夢の空へ 

 今回は飛行機に関するエッセイなので、この曲を聴きながら読み進めてくださることをお薦めします。飛行機が空を飛んでいるとき、ぼくはいつもこの曲を思い浮かべています♪



ぼくの町には空港がある。

出雲空港(今は出雲縁結び空港というらしい)である。

出雲空港は1966年6月30日に開港しているので、ぼくが生まれる前からあったことになる(僕の生まれ年はあえて触れませぬが)。

子どもたちが小さい時はよく空港横の公園に連れて行った。子供は乗り物が大好きである。飛行機なんて、子供にとっては大好物だ。目の前を下りたり上がったりする飛行機に子どもたちは大喜び。休日はいつもこども達でいっぱいだった。

しかし不思議なことだけど、ぼくはこどものころ、あまり飛行場にいった記憶がない。忘れているだけなのだろうか。自転車で出かけると30分くらいかかるので、なかなかつれて行ってもらえなかったのかもしれないし、70年代は空港横の公園で遊ぶなんてあまりなかったのかもしれない(さだかではない)。日常の中に飛行機があった。だから、あえて飛行場に行こうとは思わなかっただけなのかもしれない。

町に飛行場があるということはどういうことかというと、毎日目の前を飛行機が下りたり上がったりしているということになる。天気の悪い日などは、言葉の比喩としてではなく、ほんとうに目の前を飛行機が通り過ぎていく。手を伸ばしたら飛行機に触れるのではないかと錯覚するほどだ(じっさいに触れたらその飛行機は墜落しているが・・)。

こどものころ、あの飛行機たちはどこへいくのだろうとおもっていた

どこまでも空は広がり、どこまでも飛行機は飛んでいく



大人になると、現実が目の前にあり、想像の翼はどこかに消えてなくなってしまうようだ。

飛行機がどこまでも飛べるはずもなく、燃料切れになったら墜落してしまう。飛ぶからには目的地があって、そこで燃料を継いで、お客様を乗せてまた飛ばなければいけない。JALは赤字経営となり、流行り病のせいで空港業界も落ちるところまで落ちた。

こどものころ、どうしてどこまでも飛行機は飛び続けると思っていたのだろう。



今、出雲は神在祭の最中である。

神在祭とは、旧暦の10月になると全国の神様達が出雲に集まる祭である。いつごろから始まったのかは定かではない。ただ暦に旧暦10月を神無月とし、出雲のみを神在月としたことから、そうとう歴史は古いといえる。

せっかくだから読んでくださる皆さんに豆知識を伝えたい。

出雲大社では神様を迎える神迎え神事が行われる。稲佐の浜から出雲大社に神の使い・龍神(セグロウミヘビ)を迎える。そのお宿は十九社と呼ばれている。そして、神在祭が終わり、神様がお立ちになる際による神社が万九千神社という。

お気づきだろうか?

八百万の神様たちがお宿にするのに「十九」社では少ないのではないだろうかということである。この理由ついては出雲大社も触れてはいない。昔からそう決まっている決まり事なのである。



さて、ここからはぼくの想像だと思ってもらいたい。

出雲神話は何らかの歴史を含んでいる。それが何なのかをぼくは調べている。大国主命の「国造り」は、出雲にたくさんいた交易集団を統一し、大規模な交易をおこなったことが反映されているのではないかと思っている。

しかし、そうなると飛行場の件と同じように、受け入れる場所も必要になってくる。いきなり大勢で交易をしにいっても、相手側に受け入れ態勢が整っていなければ不可能な話である。受け入れる船着き場も必要だし、それだけの人々を迎える食料も必要である。ということは、相手側の受け入れ態勢をどうしても整えなければ成立しないのである。

これが19か所あったのではないかというのが、ぼくの想像である。

「古事記」に大国主命がスクナヒコを失い、これから国造りをどうして行おうかと悩んでいると「海上を照らして寄ってくる神様がいた。その神様が仰せられることには「私に対してよく祭をしたら、私が一緒になって国を造りましょう。そうしなければ国はできにくいでしょう」と仰った。そこで大国主命が「それならどのようにしてお祭りしましょう」と尋ねると「わたしを大和の国の青々とした東の山の上にお祭りなさい」と仰った。これが三諸山(今の三輪山)である」とある。

19か所のひとつは大和だったのではなかろうか。



もちろん、これは想像の域を出ていないので、異論のある方もいらっしゃるだろう。でも、いいではないか。想像しつづけることで、どこかにたどり着けることもあるかもしれない。

ぼくの飛行機は今も飛び続けている

ホリー・ゴライトリー、ぼくのためにもう一度だけ歌っておくれよ♪



今回も最後までお読みくださり、ありがとうございました。

今、出雲にお越しの際は、神様達の会議が見れるかもしれませんよ

それではお待ちしています ♪


こちらでは出雲神話から青銅器の使い方を考えています。

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