親ガチャ
こどもの頃、ガチャガチャに夢中だった。
正式にはカプセル・トイというらしく、地方によってはガシャココ、ガチャポン、ガシャポン、ガチャ、ピーカップと様々な呼び名があったという。出雲ではガチャガチャと呼んでいた。
小学校低学年の頃にスーパーカー消しゴムが流行り、その後、怪獣消しゴム、そしてキン肉マン消しゴムが流行った。
1個は安いもので20円、高いもので100円だったと記憶している。その後、中学生くらいになるとやらなくなってしまったので、今から40年くらい昔の話ということになる。
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「チェンソーマン」という漫画にはまったという記事を以前書いた。
そして10月11日からアニメが始まった。ということはどういうことになるかというと、「鬼滅の刃」、「呪術廻戦」などと同じようにグッズが売られ始めた。そしてガチャガチャにもその波は訪れた。というわけで、ぼくは40年ぶりにガチャガチャをやることにした。
そういうことに詳しい知り合いに、ガチャガチャがたくさん置いてあるお店を紹介してもらい、意気揚々と出かけて行った。
そして、皆さんが御想像通り、40年ぶりにガチャガチャをして驚くぼくがそこにいた。
今はガチャガチャ専門のコーナーができていて、あまりの種類の多さに目が眩むほどだった。
そして1個がやけに高いではないか!!
300円は当たり前で、中には500円なんてものもある。40年以上この界隈に手を出さなかったので、まさに浦島太郎のごとくである。
約3センチほどのフィギュアなのに300円って・・・。
ちなみにこのときの戦利品がこちらである。
親にもなってこのざまである。
でも、嬉しい。ファンだから。
これを世間では、
親ガチャ
と呼ぶらしい。
な、わけねーだろ!!(byヒトコトヌシ)
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出雲神話で親ガチャと呼んでもいいのはやはり、スサノオであろう。
スサノオはイザナギが最後に生んだ三貴士のひとりであり、海を治めるように父神からいわれたにもかかわらず、長い髭が胸に垂れ下がる年頃になっても泣きわめいていたそうだ。
高天原での問題行動も目に余るものだったらしく、みんなに懲らしめられて下界に落とされる。そこからのスサノオの出雲神話は英雄伝説としてよく知られている。どうも、出雲人はヤマタノオロチを倒してもらった恩義があるからか、スサノオに同情的である面は否めない。しかし、それを差し引いても、スサノオのぐれる気持ちもわからないでもない。スサノオの家庭環境はあまりいいとはいえない。
父親であるイザナギはイザナミと別れた後、禊(みそぎ)で最後に3貴子を生む。アマテラス、ツクヨミ、そしてスサノオである。アマテラスとツクヨミはイザナギが洗った目からお生まれになった。それはいいとしよう。スサノオは、なんと、イザナギの洗った鼻から生まれたというのである。
「お前には母はおらず、わしの鼻の中から生まれたのだ」
そう言われて、誰が「やったー」と思うのだろう。誰が鼻毛を通って、鼻水、鼻糞まみれの場所から生まれてくるだろう。「そんな、馬鹿な」とスサノオが思ったとしても当然である。普通、ぐれますよ、イザナギさん。
そんなわけで、ぐれにぐれたスサノオであったが、出雲に来てからはヤマタノオロチを退治して、櫛名田比売(くしなだひめ)と結婚し、そこに宮殿を建て、二人仲良く暮らしたそう。その場所が須賀という土地である。
そこでスサノオは日本で初めて和歌を作っている。
「八雲立つ 出雲八重垣 つまごみに 八重垣つくる その八重垣を」
さすが、以前はぐれていたとしても、高天原の貴公子なだけはある。その教養や、大したもの。はじめの頃を思えば、立派になったものである。
スサノオは「親ガチャ」だなんていったら、スサノオに怒られそう。スサノオを見ていると、人は変わることもできるのだと、勇気づけられる。
そう、人は変わることができるんだよ
40年たってもお前はかわらなかったけどな!!(by ヒトコトヌシ)
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今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
よかったら、須我神社にもいらしてください。
(そこにはスサノオのガチャは売っていませんけれども)
では、お待ちしています ♪
こちらでは出雲神話から青銅器の使い方を考えています。
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