失った歯🦷を補完する治療と予防歯科
先週は「歯の大切さ」についてご紹介しましたが、今週は残念ながら歯を失ってしまった後の治療についてご紹介したいと思います。
先週の投稿では歯を1本失うと歯並びが合わなくなり、次第に噛み合わせがずれてしまうこと、さらに奥歯を1本失った場合には噛む力までが3~4割くらい減少してしまい、しっかり噛み砕けていない物を食べることで胃腸に負担がかかって消化不良を起こしやすくなるともご紹介しました。
歯は健康な生活を送っていくために本当に重要なものであるため、できる限り失わないようにすることが大切になります。しかし、自然に抜けてしまったり、どうしても抜かねばならなくなったりという事態も生じてしまいます。そういう場合には、失ってしまった歯を何かで補わねばなりません。その方法として、ブリッジ、義歯(入れ歯)、インプラントが挙げられます。ただし、失った歯を補うということにおいて下表に示すようにそれぞれ長所もあれば、反面どうしてもそれぞれに短所もあります。
先にもご紹介したとおり、歯を失ったままにしておくと歯並びがずれて噛み合わせが悪化し、顎関節症、頭痛、肩こり、腰痛などの症状や悪い姿勢の原因にもなりかねません。そのため残った歯を守り、全身の健康を守るためにも、いずれかの方法を選択していただき治療されることをお勧めいたします。
ただし、どの方法を選択したとしてもそれぞれの物を長持ちさせるためには、その後はメインテナンスが必要となります。残念ながら歯を失ってしまったらしっかりとした治療を行ってその後のメインテナンスでお口と全身の健康を守るようにしていきましょう。
歯を失ってしまった後のブリッジ、義歯、インプラントを健全に維持するためには定期的なメインテナンス、また、歯を失わないように自分の歯を守るのも定期的なメインテナンス。どちらにしても定期的なメインテナンスが必要になるのであれば、むし歯での痛みや抜歯の痛みなどを経験しないように口腔内が健全なうちから定期的にメインテナンスを受けて歯を失わずに生活をしていくことが理想的です。そこで健全な口腔内環境の維持に寄与する「予防歯科」についてご紹介します。
まず、歯科でいう「予防」とは、お口の条件を整えて「むし歯にならないようにする」こと、「よく手入れされた健康な歯肉(歯茎)を保つ」こと、この2点が重要となります。
これまでにもいずみ中山歯科のブログでは、予防歯科として定期的なメインテナンスで口腔内の健全化やむし歯の早期発見などに努めていきましょうとご案内してまいりました。
むし歯も歯周病も「生活習慣病」の一種です。むし歯になった歯を治療しても原因を改善せずに放置すると、また同じ箇所がむし歯になります。歯周病も生活習慣を改めて、定期的に歯科衛生士さんのクリーニングを受けて歯石や歯垢を除去していかねば再発を繰り返してしまいます。
なぜむし歯になってしまったのか、なぜ歯周病を繰り返してしまうのか、その原因を分析することが大切です。その結果をもとに、磨き方が悪かったのであれば正しい歯みがき指導を、食生活に原因があったのであれば正しい食事指導を、これらを患者さんに対して行うことも「予防」の一環です。
そして「予防」で欠かせないのは、病気の原因となる細菌を除去して口腔内の健全化に導く歯科衛生士さんによる定期的なケアとなります。
なお、6月4日から6月10日は「歯と口の健康週間」として、厚生労働省や日本歯科医師会などが中心となってむし歯予防、歯周病予防などの啓発活動を行っています。
今年の標語は「手に入れよう 長生きチケット 歯みがきで」で、重点目標は「歯と口は国民が健康に生きていく力を支えるものであり、歯科疾患の予防や歯と口の健康を保持する取り組みを進める必要があることから、『生きる力を支える歯科口腔保健の推進』」とされています。
この機械に、まずはご自身の口腔内の状態を知るためにもぜひお近くの歯科を受診するようにしてみてください。