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恒河沙(ごうがしゃ)
夜も眠らずに
海で泳ぐことに疲れた魚が
上陸を果たすまでに
地球は太陽の周りを
一億回周った
心が生まれたのはそのずっとあとだ
地球が太陽の周りを
一回周るあいだに
ぼくは
けち臭いことで
ひとりの友を失った
何億何十億何百億何千億の
しみったれた別れと
何億何十億何百億何千億の
みっともない後悔を
ひきつれて
地球は傾いた軸の周りを
一回転する
濾過されずに残った記憶は
カスばかりだ
ミクロンの孔を透り過ぎて
流れ落ちた記憶は
海の水になる
海はぼくを忘れている
海の水は雲になれ
雲は雨を降らせ
雨はぼくに降り注げ
ぼくの心が海に浮かぶまで
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(突然ですが)
私の詩が、
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『鰻2380』という詩です。
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よろしくお願いいたします。