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江之浦測候所という名状しがたくも素晴らしいアート施設
神奈川県小田原市に江之浦測候所という少し不思議な名前の施設がある。HPを見ても、正直何の施設なのか良くわからない人がほとんどではなかろうか。
それでは見終わった後にわかるかと言えばそうでもなく、強いて言えば「恒久設置作品を主体としたアート建築施設?」みたいな説明しか私にはできそうにない。
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室町時代
具体的にどのようなものが設置されているかと言うと、例えば、受付付近の《明月門》は元々明月院という寺院正門として室町時代に建てられたものが巡り巡ってここに寄贈・再建されている。
このように、建築遺構からの収集品や日本の様々な時代の工法・建築様式を基に、他に類を見ない空間が形成されている。
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負の定曲率回転面
![](https://assets.st-note.com/img/1652019424174-eSUmNLoGfk.jpg?width=1200)
時折、夏至・冬至といった言葉が作品の名称に付されているが、これは当測候所の構想者である杉本博司が謳う下記のコンセプトに由来する。
「悠久の昔、古代人が意識を持ってまずした事は、天空のうちにある自身の場を確認する作業であった。そしてそれがアートの起源でもあった。 新たなる命が再生される冬至、重要な折り返し点の夏至、通過点である春分と秋分。天空を測候する事にもう一度立ち戻ってみる、そこにこそかすかな未来へと通ずる糸口が開いているように私は思う」
1万年後まで続く未来の遺跡を目指して構想されたという江之浦測候所。確かにこれが遠い未来に突如発見されたら、何の用途でつくられたのか論争になるのは間違い無しと思わざるを得ない程に純粋なアート空間である。
近代以前の人口密度を体感できるようにするため(!?)入場人数が限定されており、見学日の2日前までに予約が必要となっているので、訪れる際にはお忘れなきように。
江之浦測候所
住所:神奈川県小田原市江之浦362番地1
アクセス:
1) JR東海道本線 根府川駅より駅~施設間の無料送迎バス(午前・午後各3便ずつ運航)
2) JR東海道本線 真鶴駅よりタクシー(所要時間 約10分)
URL:https://www.odawara-af.com/ja/enoura/