日本でアシュラム運営は可能なのか(ブラック企業への転落点を探る)
色んなヨガ教室に通うと、時々インドに心酔している方に出くわします。特に、インドのアシュラムで充実した日々を送られた方の場合、一種の「望郷の念」を抱いていることも感じ取れます。
インドではヨガが文化レベルで溶け込んでいて、長い歴史を持っているところからして、そのヨガ瞑想修行者に対する衣食住の支援の輪が広がっているのだと容易に察することが出来ます。
そのような環境で一生ヨガ瞑想修業が出来ることは大変素晴らしいことだとつくづく感じます。
さて、そのような素敵なアシュラムを日本で組織・運営することは果たして可能なのでしょうか?
アシュラムと言うものは、端的に申して、ヨガインストラクターたちがお給料を頂かない代わりに、寝床と日々の食べる物を保証して頂く、地域住民が支援者としてそういった瞑想修行者を支える、という組織形態です(要は究極的な終身雇用ですね)。
残念ではありますが、そのような組織形態は、日本では全く浸透していないように見受けられます。もし、その認識がごっそりと抜け落ちてしまったまま、強引に「営利団体」としてアシュラム活動してしまうと
「愛、平和、調和、平安に満ちたこの素晴らしいアシュラムに貢献して下さい。無償の帰依、奉仕を求めます」
といった都合の良い言葉を盾に、低賃金で高負荷の仕事をヨガインストラクター達に押し付けてしまうことになります。この都合の良い言葉の背後には
(各自の生活費は各自、自己責任で稼いでください!日々の生活までは保証しません!)
というメッセージが隠されている、ということです(ブラック企業への転落)。要は、もし、そのまま突き進んでしまうと、
巷の人々を敵に回した「オウム真理教」のような組織へと転落する
危険性がある、ということです。結局、誰も幸せにはなれない最悪なシナリオだと思います。
アシュラムが魅力的で大変素晴らしい組織形態であることに疑う余地はありません。しかし、本気でアシュラムに取り組む場合
1.宗教法人登録をして、(日々の生活費に苦慮しないために)自給自足が出来るくらい広い土地を有する古民家を買い上げ、細々とヨガ瞑想活動を続ける(地域住民に「怪しい団体ではない」という日々のアピールが大切となる)
2.インドに移住し、インドに帰化する(覚悟のある人なら、これぐらいは出来ると思われる)
この二択しかないように思います。
本気でアシュラムに取り組まれる方々を心より応援しております。