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豪華王ロレンツォ・デ・メディチについて

 みなさんは、「ロレンツォ・デ・メディチ」という人物について知っているでしょうか?
以前、「メディチ家」についての記事を2つ書きましたが、そのメディチ家の最盛期の当主です。


 すぐれた大政治家、そして芸術家のパトロンとして知られる人物です。
ロレンツォ・イル・マニーフィコ(偉大な人)」とも呼ばれ、「豪華王」なんて言われたりもします。
私の好きな人物の一人ですね。

 そんな、ロレンツォ・デ・メディチの生涯を紹介したいと思います。


 ・すぐれた政治手腕でフィレンツェを安定に導く

 ロレンツォは、「フィレンツェ共和国」を実質的に支配しました。
ローマやナポリなど他の都市国家との関係をうまく調整し、巧みな外交によってフィレンツェに安定と平和をもたらしました。
また、ロレンツォは困窮者の支援といった寛大な政治と莫大なばらまき政策によって、多くの市民から支持されていました。
ロレンツォがフィレンツェを統治した時代は「黄金時代」とも呼ばれるそうです。

 ロレンツォは人徳があり市民のために政治を行なう人だったんですね。
ばらまき政策はどうかと思いますが、でもそれがロレンツォを助けたんですよね。
今の日本の政治家もロレンツォの手腕を見習ってほしいよ。


 ・パッツィ家の陰謀事件に巻きこまれる

 ロレンツォが29歳のとき、宿敵であった「パッツィ家」によって襲撃され、弟のジュリアーノを失いました。
しかし、ばらまき政策などが功を奏して、ロレンツォに好意を寄せていた市民はパッツィ家に同調しませんでした。
生き延びたロレンツォはパッツィ家を返り討ちにして、関係者を大勢処刑します。

 すると、パッツィ家の後ろ盾になっていた、「教皇シクストゥス4世」は怒ってフィレンツェ自体を破門し(!)、ナポリ王国と同盟を結んでフィレンツェに宣戦布告します(!!)
とんでもないキチガイ教皇ですね・・・。
窮地に陥ったロレンツォでしたが、自らナポリ王国に赴きナポリ王フェルディナンド1世と直接交渉を行なって和平を取り付けることに成功し、戦争の危機を乗り切ります。
シクストゥス6世とはこの人が亡くなるまで険悪な関係が続いたそうです。
この事件でメディチ家のフィレンツェの支配体制は一層強固なものとなりました。

 ナポリ王国に自ら交渉に赴くなんてまたなんて大胆な。
普通の君主なら殺されるかもしれないと思いやりませんよね、ロレンツォのすごい行動力です。


 ・芸術家たちのパトロンとしてルネサンスの最盛期を演出した

 ロレンツォはメディチ銀行の財力を使って、ミケランジェロやボッティチェリやレオナルド・ダ・ヴィンチといった名だたる系術家たちのパトロンとなります。
ロレンツォは面倒見がよかったようで、このパトロン事業は息子の代になっても続きます。
芸術家を支援したのは箔をつけるためだったり、外交に活かす目的もあったでしょうが、それでもロレンツォは芸術家たちから慕われたそうです。
他の君主には成せないことでしょう。

 ロレンツォの支援があったからこそ、多くのヨーロッパの芸術家たちが世に出ることができ、ルネサンスの最盛期を迎えたと言えるでしょう。


 ・ロレンツォの晩年とその後

 完全無欠に見えるロレンツォも銀行事業の失敗や、金に窮して公金に手をつける、といった悪いこともやっています。
人間的な一面もあったのでしょう。
死に際にはこれらのことを懺悔したとも言われています。

 また、晩年にはサヴォナローラというワケのわからない修道士がでてきます。
このサヴォナローラがロレンツォに対して否定的で批判をしていたそう。
普通の君主なら捕らえたり、処刑したりするのでしょうが、ロレンツォは活動を禁止することもなくただ静かに心を傾けていた、そうです。
なんて寛大な人なんでしょう、普通はできませんね。

 しかし、ロレンツォ亡き後、息子の代にメディチ家はフィレンツェから追放されてしまいます。
そして、サヴォナローラのやつが一時的にフィレンツェを支配するようになり、ボッティチェリの絵を焼却したりする悪行を働きます。
結局は、市民の反発を買ってサヴォナローラも処刑されて終わるのですが。

 ロレンツォはフィレンツェ市民の幸せのために尽力する大政治家でした。
ただ、銀行経営の才はなく、メディチ銀行を財政を悪化させてしまうのですが・・・。
天は二物を与えずってことですかね。
フィレンツェに繁栄をもたらし、ルネサンスの最盛期を導いた人でした。
理想の君主と言ってもいいと思います。


 ・まとめ

 ・ロレンツォ・デ・メディチはすぐれた大政治家で、フィレンツェ市民のために政治を行ないました。
そして、フィレンツェの繁栄、ルネサンスの最盛期を演出しました。
市民に好かれ、市民の幸せのために政治を行なった好人物でした。


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