Photo by mitei_narico できうるなら 33 十六夜🌖 2022年7月14日 23:27 できうるなら、世界のとなりにそっと寄り添う1本の木でありたかった世界は、私がとなりにいることを喜んでくれるだろうか微笑みかけてくれるだろうかたとえば、月をみるとかして池澤夏樹さんの「スティル・ライフ」冒頭の文章。 この世界がきみのために存在すると思ってはいけない。世界はきみを入れる容器ではない。 世界ときみは、二本の木が並んで立つように、どちらも寄りかかることなく、それぞれまっすぐに立っている。 きみは自分のそばに世界という立派な木があることを知っている。それを喜んでいる。世界の方はあまりきみのことを考えていないかもしれない。 でも、外に立つ世界とは別に、きみの中にも、一つの世界がある。きみは自分の内部の広大な薄明の世界を想像してみることができる。きみの意識は二つの世界の境界の上にいる。 大事なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。 たとえば、星を見るとかして。池澤夏樹 著「スティル・ライフ」より ダウンロード copy この記事が参加している募集 #私の作品紹介 108,571件 #日記 #写真 #詩 #私の作品紹介 #デジタルアート #写真加工 #十六夜 #池澤夏樹 #スティル・ライフ #MITEI_NARICO 33