仕事術 営業マンの能力を引き出す
全部の営業マンが優秀なら良いのですが、そうは問屋が卸しません。
どうすれば営業マンを十分に活躍させられるか、
過去の経験から、大事と思われることを簡単に書いてみます。
1)目標
まず、営業マンには目標を与えるべきです。
目標を与えられた営業マンと、与えられていない営業マンでは覚悟が違うからです。
結論を先に言うと、営業マンに目標を与えていない企業は、
目標を与えている企業にまず勝てないと思います。
ほとんどの企業は、これを知っているので、営業マンには目標を与えていると思います。
ただ、目標金額を売上額にするべきではありません。
それはピンボケというものです。
目標は粗利(粗利益)で設定するべきです。
粗利(粗利益)=売上額ー売上原価
という数式になるので、粗利を計算するには売上原価を知る必要があります。つまり、原価計算をしなければなりません。
2)売上原価と売買差益
仕入れた商品を右から左に転売するだけなら、
たいていの場合、売買差益(売上額ー仕入れ額)と粗利はそれほど変わりません。
なので、この場合は、売買差益を目標にしても良いと思います。
自社でモノを作っている場合は、売上原価の把握は必須です。
特に、売上原価に占めるコストのうち、人件費の比率が高い場合がややこしい。
なぜなら、この場合は工数を計算する必要がありますが、これが結構面倒臭いんです。
ソフト開発などをしている中小企業の中には、工数計算が面倒で、
売上原価をまともに把握していない企業があるんじゃないでしょうか?
しかし、こちらの見積りがそのまま通るならまだしも、
必ずと言っても良いほど値切られますよね。
こちらの原価がハッキリしない状態で値切られたら赤字になりかねません。
ある程度のコストをかけても、売上原価は把握しておく必要があります。
3)営業マンの評価
人間は、多くの場合、意識が変わるだけでその成績も変わるようです。
その結果、例えば今までの他者との競合の結果が4勝6敗だったのが、
6勝4敗に変わるだけで会社の業績が大きく変わる可能性があります。
売上原価を把握し、営業マンに粗利で目標を与えるだけでも成績は上向きますが、営業マンの成績を人事評価に生かすことが出来れば、成果がもっとはっきりします。
評価としては、まず賞与があげられます。
給与で大きく差をつけるより、賞与で差をつけることを勧めます。
なぜなら、給与は生活に密着しているので、それほど大きな差はつけにくいからです。
毎月の営業成績を、課別または個人別に棒グラフにして発表している会社もありますし、表彰制度を導入し、年に一回程度表彰する会社もあります。
但し、これは企業文化にもよるので、慎重に行うべきです。
今まで生ぬるかったのに、突然厳しくすると、退職する社員が出てくることもあります。
基本的には、営業成績にはお金で報い、役職の登用は能力に応じたいところですが、思うように行くかどうかは、何とも言えません。
また、人物評価には人望も大事です。
人望のない上司には、部下がついていきません。
管理職に登用するには、この点の見極めも大事です。
注意点)
●目標のつけ方に不公平があると、それだけで不満を感じるので、
目標は慎重に決める必要があります。
担当する顧客が良ければ良い結果がでます。
どこを担当させるか、その見直しも必要になるかもしれません。
●目標を大きく上回る営業マンがいる一方で、
目標を大きく下回る営業マンがいると困ります。
大きく上回った営業マンに多額の賞与を出すのは良いとしても、
大きく下回った営業マンに払わないわけにはいきません。
結果的に、全体的な予算が不足することになるからです。
こういう場合は、目標数字と担当顧客の見直しをする必要があるかもしれません。
●一番困るのは、不満が鬱積して複数の営業マンが反乱を起こしたり、
退職者が続出することです。
評価の結果を反映させて制度をいじる前に、よく検討することを勧めます。
追伸)今後思いつくことが出てきたら、次の機会に触れることにします。
頑張ってください。
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