【鑑賞日記】ひとはなぜひとがたをつくるのか展を観に行った
ひとはなぜ ひとがたをつくるのか @横浜人形の家
「ひとのかたち」を現出させるため人形をつくるという行為の歴史を、原初から現代まで浅く広く断片的にみる展示でした。
人形の家は企画展重視の博物館ではなく、もともと展示規模もさほど多くはないため、がっつり観せるというよりはミニ企画といったサイズ感でした。
イントロとしての歴史編はサクッと。そして一気に現代アートとしての作品展示に変わります。作品それぞれが異なる意図や情動をもって製作されているのですが、どれも表現しなければ、というリビドーを感じて面白かったです。
サブカルよりの作品が描き出す表現が原初的な何かを感じさせます。
最近のトレンドであるアクスタへの言及もあり、ひとがたの進化の姿としてわかってるなあと思いました。
ただ、展示の半分がやまなみ工房のアーティストの作品の展示となっていたのには若干の違和感がありました。一応、ひとがたというテーマになぞらえてはいるのですが、むしろアールブリュットを知ってもらいたい。こういう作家がいるということを示そうとしている要素が強く、企画意図との齟齬が生じているようにも感じたのです。
自分自身はアールブリュットという分野について、これまでもかなり意識して追っており、その点では本企画も知見が広がってすごく面白かったのですが。
そんなこんなで、ひとがたという企画に対してもう少し突っ込んだキュレーションがされているともっと満足感があったのかなあ。
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