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推し活って難しい。

「ある日突然、運命のように推しを見つけて、だんだん存在が大きくなっていくんだよね」

本文より引用

今、この本を読んでいる途中なんだけど、凄く共感できる。
簡単に言うと、ずっと推してきた人が性犯罪で逮捕されてしまった映像作家の主人公のお話。韓国発のドキュメンタリー。

推しが突然死んだらどうしようと考えたことは何度もあるけど、逮捕されたらってことは考えたことなかった。
しかもそれが、死亡事故とか性犯罪だったら?考えただけで卒倒しそう。
普通に許せないし、絶対にファンを辞めてると思う。私の考え方は、この本の中に出てきたオタクたちとも一緒だった。
日本でもよくあるけど、なんか戻ってくるの早いよね?

以降は私のオタク、推し活についての個人的な思いになるんだけど。

オタクっていうのは大抵群れたがる。仲間が欲しい生きものだと思う。
私自身も何年オタクをやっていても、いつの間にかTwitterのアカウント作成ボタンを押している。Xになってもやめられない。作って後悔した経験はいくらでもあるのに、舞い上がった時の自分は誰にも抑えられない。(結局またやめたんだけどな!)

ああ、語れる仲間が欲しい!
あの人のあんなところ、こんなところを共有したい!
他の人はどんなところが好きなんだろう?
ファンアートも見てみたい!
コスプレをしたらどんな感じになるんだろう?
MAD作ってる人いたりするのかな?
グッズって今、何が出てるの?

そうこうしているうちに、気づけば専用アカが誕生している。
あれほど、オタクという面倒くさい生きものに後悔したのに。
現代社会で情報を得るのにSNSをひとつもインストールしないのは、ほとんど不可能に近い。
そう自分に言い聞かせて、再インストールが完了するのを待つのだ。

人付き合いは面倒くさい。
それはオタクでも変わらない。なんならオタクの方が難しい。
オタクとは、厄介な生きものだ。

あーだこーだ言うのなら、1人で推し活をすればいいのはわかっている。
1人なら、精神の安定は保たれるし、同担拒否や過保護ムーブをかましてくる厄介オタに目をつけられてげんなりすることもない。
解釈違いやCP固定、下ネタ連投みたいなユーザーを目にしなくても済む。

でも、情報弱者のオタクってどうなんだろう。
推しの最新情報を知らないオタクって、はたしてオタクと言えるのか?

人の目を気にして、気遣えるが日本人の長所なはずなのに、私の知っているオタクは気遣いという言葉を聞いたことがないような人ばかり。
愛する人を目の前にすると人は汚い生きものになるらしい。
本人の前ではしおらしくなるのが、また気持ち悪い。

そんな人とも出会うのが、推し活だ。
わかってはいるけれど、情報が欲しい。誰かと繋がりたい。

つまり、オタクの闘いはここが正念場なのである。
己の精神と、一瞬の快楽。
どちらを取るか。
その推しを押し続けている限り、迷いは消えない。
一生迷い続けることだってある。

そうして欲に負けてアカウントを作って、そっと消えたことが数回。
だから私の意見としては、仲間を作ることはオススメしない。

仲間を増やすということは、敵を増やすということでもある。
アカウントを作らなければ知らなかった他人の経済力や認知に一喜一憂する覚悟があるかどうか。現場に行って、仲間の美貌に絶望するかもしれない。
自分の許せないことが、他人も同じなんて保証はない。

推しは、私のことを知らない。
見返りなんて絶対にない。恋人にも家族にも友人にもなれない。
近所の顔見知りのおばちゃんみたいな立ち位置にもなれない。
雑談をしたり、余りものをあげたり、そういうことができる関係にはどう頑張ったって一生なれないし、一緒に旅行にだって当たり前に行けない。勝手に行ってきてお土産を渡したところで、捨てられるかもしれない。
そんな立ち位置で、未来の希望もない中で、ただひたすら赤の他人にお金を注ぎ込むのが馬鹿らしくなってくる時もある。

でも、そうやって何かに無我夢中になっている時はめちゃくちゃ楽しい。
体力も精神もお金も犠牲だらけだけど、幸福感は凄まじい。
スキという感情だけで動き、本人の前で思い切りその感情をぶつける、あの瞬間は一度癖になるとやめられないものだ。
頭を使わないって、案外楽しい。

だから、私はオタクとして推し活をすることをやめられなかった。

今、私は誰とも繋がらずに何とか推し活を続けている。
全然情報も入ってこないし、知らない間にチェキの応募期間が終わっていたり、チケットが販売開始されていたりして散々な目に遭ったこともある。
こんな状態でもオタクといえるのかどうかはわからないけど。

何事も節度が大事。オタクも、本人も。
所詮は他人なんだから。
盲目な時こそ、注意しなきゃいけないよね。

最後に本文からグッときた文章を引用して、記事を締めることにする。

「ファンが偶像にハマりすぎて、恥ずかしい思いをしなければいいなと思う。そうならないよう、推し活はほどほどにしたほうがいい。」

わかってるよ!

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栖山 依夜
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