ロシア軍捕虜の英国人アスリン氏がウクライナ軍の戦争犯罪吐露!? 「英国人」インタビュアーは元ロシアメディア勤務で信頼性は!? 6月、アスリン氏ともう1人の英国人捕虜・元英軍人ピナー氏に「死刑」宣告が! 2022.7.6
(文・IWJ編集部 文責・岩上安身 2022年6月28日加筆・アップ)
ロシア軍の捕虜となった英国人アイデン・アスリン氏が、2022年4月19日公開されたインタビューで、ウクライナ兵のロシア兵捕虜に対する戦争犯罪を告発した。
しかし、インタビュアーの英国人ジャーナリスト、グラハム・フィリップ氏は、ロシアメディアの『RT』やロシア国防省TVでの勤務経験があるとも報じられていることから、アスリン氏へのインタビューの信頼性には疑問符もついた。
アスリン氏ともう1人の捕虜ショーン・ピナー氏は、ジョンソン英首相に、ウクライナの「親露派」政治家メドヴェチュク氏との捕虜交換を要請したが、ロシア政府は拒否。
アスリン氏は以前、シリアでクルド人武装部隊とともに、イスラム国と戦闘した経験があるため、「傭兵」とみなされて、死刑に処せられる可能性もあるとされた。また、ピナー氏は英国陸軍からウクライナ海軍に移籍し、ウクライナ海兵隊を訓練していたことが明らかになっている。
英国の閣僚、ブランドン・ルイス氏は「義勇兵2人のウクライナ渡航は不法行為だ」と厳しく批判した。
その後6月9日になって、ヤフーニュースやBBCが、アスリン氏とピナー氏が、「傭兵」として「死刑」を宣告されたことを報じた。
さらにBBCは6月23日、アスリン氏が「死刑執行が行われることを告げられた」うえ、「英国政府関係者が彼のために交渉しようとしたことはなかったと言われた」と家族に語ったことを伝えている。
詳しくは記事本文を御覧いただきたい!
▲英国人アイデン・アスリン氏について報じるロシアメディア『RT』のサイト。British captive who fought in Mariupol describes ‘reality’(RT,15 Apr, 2022)
ロシア軍捕虜の英国人アスリン氏が、ウクライナ軍の戦争犯罪を告白!? 「ウクライナ軍入隊は愚かな選択だった」!
2022年4月19日、英国人ジャーナリスト、グラハム・フィリップ(Graham Philips)氏による、ロシア軍の捕虜となった英国人アイデン・アスリン(Aiden Aslin)氏への「独占インタビュー」が、YouTubeにアップされた。動画の説明によると、ウクライナのドネツク州で18日に行われたインタビューである。
アスリン氏は比較的健康そうに見えるが、手錠をかけられている。
Exclusive Interview Aiden Aslin British Man Fighting for Ukraine, Captured in Donbass, Mariupol(Graham Philips)(この動画は2022年6月28日時点で閲覧不能となっている)
https://youtu.be/rNizGwjZbo0
インタビューの中でアスリン氏は、ウクライナ兵によるロシア兵捕虜に対する、ジュネーブ条約に反する残虐な犯罪があったことを認め、ウクライナ軍は捕虜に対する犯罪を気にすることはないと述べている。
ただし、自分は一切そうした犯罪行為に加担していない、とアスリン氏は、強く主張している。
そして、アゾフ大隊、右派セクター、民族主義者らといった「ネオナチ」集団によって、多くの戦争犯罪がなされていると語っている。
しかし4月19日付けの日刊IWJガイドでお伝えしたが、英ガーディアンはロシア国営テレビが放送したアスリン氏について、「ウクライナの極右組織アゾフ大隊の紋章が入ったTシャツを着て」と描写している。
アスリン氏は、ウクライナ軍に入ったのは、間違った情報に騙されたのであり、愚かな選択だったと述べている。マリウポリの状況をみて初めて、ウクライナの現実を知った、と淡々と説明している。
一方のインタビュアーのフィリップス氏は、「(犯罪行為は)君の同僚がやったことだ」など、かなり強い言葉でアスリン氏を叱責するように話しかけている。
フィリップス氏は、アスリン氏に対して、傭兵だとされれば死刑に直面する可能性がある、とも話している。
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