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STがしている発音訓練(キーワード法、後続母音を変える方法)

おはようございます。いわたコトバのそうだん室言語聴覚士の岩田です。
今日は「STがやっている発音訓練」についてのお話です。(簡単に、ざっくりですが)。

まずはじめに
発音の練習方法は、原因や年齢、誤り方、誤り音などによって、訓練方法が異なるので、発音が悪いからこれを行えばいいというお話しではありません。

なので今日の話は「へーそんなことをやることもあるんだ」くらいの気持ちで聞いてください。(発音の練習がしたい場合は、お近くの言語聴覚士さんに相談してみてください!)

まず構音障害(発音)ってなに?

実は構音障害(発音)は3つの分類に分けることができます。

  1. 器質性構音障害 先天的・後天的な構音器官の形態異常によるもの (例)口蓋裂 舌小帯短縮症

  2. 運動障害性構音障害 神経・筋系の病変によるもの (例)脳性麻痺 等

  3. 機能性構音障害 構音器官の形態や機能に異常がないもの
    というような感じです。

今日は3の「機能性構音障害」に行うことが多い「キーワード法」と「後続母音を変える方法」について紹介したいと思います。

キーワード法

これは子供の発音の誤りで「単語によって正確に言えるときもあれば言えない時もある」という場合に使うことができます。
例えば、カ行が言えない子供を例にすると、「カラス」は「タラス」になってしまうんだけど、カイ(貝)はしっかり言える。というような場合です。

(具体的な方法)
①まず、言えない単語と言える単語を探していきます。(言えない:カラス  言える:かい)
②言える単語を、安定して発音できるように繰り返し練習していく(10回言ってもしっかり言えるか)
③少しずつ後ろにつく音を消去していきます。(かい だとすると後ろの「い」は頭の中でいうようにして「か」だけを声に出します)
④「か」だけを出せるようになったら、そこに別の音をつけていきます。「かあ、かる、からなどなど」
⑤徐々に意味のない2文字から実際の2文字単語、3文字と増やしていきます。

後続母音を変える方法

この方法も「か行」を例にお話ししていきます。
例えばSTの評価でか行の中でも、「け」は言えないけど「く」は言えるということが分かったとします。
こういう産生できた音を同じ子音部をもつ、同じ行の中の後続母音の異なる外の音に広げていく場合などに使っていきます。

(具体的な方法)
「け」を言えるようにしていくことを目標とした場合

①すでに言える「く」と「え」を順番に言っていきます
②「く」と「え」の間隔を徐々に狭めていきます。
③「く」と「え」をほぼ同時に言えるくらいまで狭められれば「け」の音かそれに近い音が出せていることになります。

「く→→→→→え」
「く→→→え」
「く→→え」
「くえ」
「け」

というような感じです。(やり方は簡単ですがやってみると意外に難しいです。)
これで「け」を言えるようになったら無意味2音節→単語→文章→会話と広げていきます。

まとめ

今日は「キーワード法」と「後続母音を変える方法」について簡単にお話しさせてもらいました!
発音練習は原因を明らかにして適切な訓練方法を見極めて、しっかりと細かいステップを着実に登っていくことで改善が期待できる障害です。
発音のお悩みがあればいわたコトバのそうだん室か、お近くの小児言語聴覚士までご相談ください!

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