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直るのに時間のかかる発音の誤り(側音化構音)
こんにちは。いわたコトバのそうだん室の言語聴覚士岩田です。
先日年長さん訓練中に「ねぇ思ったんだけど、大人って生きるの楽しい?」と聞かれました。「もちろん楽しいよ!最高!」と答えましたが、どんな意図があったんでしょう笑、、
今日も大人は子供が「大人って楽しそう」と思えるように笑顔を振りまいてます!
さて、今日は改善に時間のかかる発音の誤りについてのお話です。
通常?の発音の誤りは「さ行がた行になってしまう(さかな→たかな)」「か行がた行になってしまう(かい→たい)」というものとかがあります。
これらも訓練を始めてから割と治るまでに時間がかかることも多いですが、それらの誤りとは全く異なる誤り方で、通常よりかなーり根気と時間がかかる誤り方があるのをご存知でしょうか?
それは、STの用語で異常構音と呼ばれるものです。
今日はその異常構音の中で最も多い側音化構音について話をしていきます。
側音化構音とは
簡単に言うと、唇の真ん中から音を出す音が間違って横から出てしまう誤りのこと。
一度「い」と言ってみてください。通常であれば唇の真ん中から「い」が出ていますよね。それが側音化構音だと横から出ます(↓こんな感じ)
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これの誤りになりやすい音として「いが付く音(い、し、き、り)」「け、げ」「す、つ、ず」とかがあります。
「い、し、き→ひ」「り→ぎ」「す→しゅ」に近い音に聞こえることが多いです。(厳密には日本語でで表現できない音)
横から息が出ちゃってるなら真ん中から出せばいいじゃん!と思うかもしれませんが、
そう簡単にはいかないのが側音化構音です。
なぜ治るのに時間がかかるの?
①習慣になってしまっている
横から息を出すことが習慣になってしまっているため、簡単には変えられません。僕らも会話の中で「い」が出る時だけ口の形を変えてねと言われても、すぐには変えられないですよね。
だって、「こんにちは。いわたよしきです」の短い中にも間違えそうな音が4つもあるんですもの、、
②正解の音、誤りの音の判断が難しい
「か行がた行になっちゃってる」「さ行がか行になってる」とかいう誤りは分かりやすいですが、促音化構音は誤り音の聞こえ方が微妙なんです。
「正しい音のようにも聞こえるけど、、なんか変、、」「十分聞き取れるけどなんか変、、」って感じです。
そのため親も子供もなんとなく放置してしまうことがあります。
③年齢が低いと訓練がむずかしい
側音化構音以外の発音の誤りは、年齢が低い方が誤り方が習慣化する前の方が改善が期待できますが、側音化構音は年齢が低いと正しい舌の位置にコントロールしたり、耳で聞いて誤りを判断しくく、子供も間違っているという意識がありません。
④根気がいる
すでに習慣化しているものを新しい習慣に塗り替えていくことになるので必ず時間がかかります。そのため訓練を始めてもすぐには効果が出にくく、STも親も焦ってしまうことがあります。
しかし側音化構音ほど焦らず、じっくり進んでいくことが大切なので長い目で見て治していくことが必要になります。(ご家庭での練習などの協力も不可欠です)
まとめ
側音化構音は年齢を重ねれば自然に治るだろうと言うものではなく、細かいステップを設定して練習していく必要があります。
もしお子さんが、この誤りかもしれないと思ったら近くの小児言語聴覚士や専門家にご相談してみてください!
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