奥手な子?いいえ場面緘黙です
おはようございます。いわたコトバのそうだん室の言語聴覚士の岩田です。
今日は「奥手な子?いいえ場面緘黙です」というテーマでお話しします。子供が集団の場面になると話さないことが気になっているお母さん、お父さんもいらっしゃるかもしれません。「うちの子は恥ずかしがり屋で、かなり奥手…」と思っている方もいるでしょう。
でも、それはもしかすると「場面緘黙(ばめんかんもく)」の可能性があることをご存知ですか?
家では話せるのに、学校では話せない?
場面緘黙の子供は、家では普通に話すことができるのに、学校や友達の前では話すことができません。初めて場面緘黙の子供を見た人は「恥ずかしがってるだけだろう」とか「もっと自信を持って!」と思うかもしれませんが、実際は本人も「話したい!」という気持ちを持っていることが多いんです。でも、緊張や不安から声が出なくなってしまうんですね。
場面緘黙とは?
場面緘黙は、特定の場面でだけ話せなくなる状態です。これは恥ずかしがりや奥手な性格とは違い、子供自身がコントロールできないものです。家族や親しい友人とは普通に話せるのに、学校や公園といった特定の場所、または先生やクラスメイトといった特定の相手に対しては、どうしても話せなくなるのが特徴です。
一般的には、3歳から6歳くらいの間に現れ、長期間続くことがあります。周りの大人がこの状況を早く理解し、適切に対応することで、子供が安心して少しずつ話せるようになることが期待できます。
場面緘黙の原因は?
場面緘黙のはっきりとした原因はまだ解明されていませんが、いくつかの要因が考えられています。たとえば、遺伝的な要素や、過去に緊張や恐怖を感じた経験が影響しているかもしれません。また、不安障害の一つとして捉えられることもあります。子供自身もなぜ話せないのかがわからず、さらに不安を抱いてしまうことも少なくありません。
学校や幼稚園で何か嫌なことがあったのかな?と心配になることもあるかもしれませんが、必ずしもそうとは限らないんです。むしろ、場面緘黙の子供にとって「話せないこと」は、その場で起こっている出来事とは別の、内面的な緊張や不安の表れなことが多くあります。
どう接すればいいの?
では、場面緘黙の子供にどのように接すればいいのでしょうか?大切なことは「無理に話させようとしないこと」です。「どうして話さないの?」と問い詰めたり、「早く話せるようになろうね」とプレッシャーをかけたりすると、子供の不安がさらに強くなってしまいます。
代わりに、安心できる環境を整えてあげることが大事です。例えば、言葉を発しなくても表情やジェスチャーでコミュニケーションが取れるようにしてみることや、話せるようになるのを焦らず待ってあげることが有効です。家では話せるなら、その状態を尊重して、「学校でもそのうち話せるようになるよ」と気楽に考えている姿勢を見せることが大切です。
また、学校の先生や周りの子供たちに理解してもらうことも重要です。場面緘黙は決して「わがまま」や「甘え」ではなく、一種の不安障害であることを知ってもらうことで、本人が少しずつリラックスできる環境を作っていくことができます。
サポートを受けることも大切
場面緘黙は、子供自身の力だけで克服するのが難しいこともあります。そんな時は、言語聴覚士など専門家のサポートを受けることも考えてみてください。子供に合ったステップを踏みながら、少しずつ社会の中で声を出せるようにするための練習をお手伝いすることができます。
まとめ
「家では話せるのに、学校では全く話さない…」そんな状況に心当たりがあるなら、それは単なる奥手な性格ではなく、場面緘黙かもしれません。この状態は、適切なサポートがあれば、少しずつ改善していく可能性があります。大切なのは、焦らず、子供が安心できる環境を整えてあげること。そして、無理に話すようにプレッシャーをかけないことになります。
お子さんの言葉のことで心配なことがあれば、ぜひ一度ご相談ください。いわたコトバのそうだん室では、日々さまざまなケースに対応しており、きっとお力になれると思います。
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