マスクが言葉に与える影響
おはようございます。いわたコトバのそうだん室の言語聴覚士の岩田です。
先日歯医者さんで麻酔をしたんですが、その後のご飯はうまく食べれませんでした。ご飯の時に口の感覚ってとっても大事!ということを痛感しました笑
さて、今日は「マスクが言葉に与える影響」についてお話しをしていきます。コロナの影響で、私たちの生活は大きく変わりました。夏でもマスクをつけるようになったのは驚きですよね、
世の中的には「マスクを付けること=いいこと」と言う認識が強いですが(実際に感染対策にはいいと思います)。
しかし、小さなお子さんの言葉の発達にとっては、マスクが弊害になりうるということを知っていますか?
マスクによるコミュニケーションの制限
まず、マスクをつけることで、コミュニケーションの重要な要素である相手の表情が見えにくくなってしまいます。子ども(特に幼児期)は、表情を見てコミュニケーションの方法や感情の表し方を学んでいきます。
例えば、誰かが笑っているときや驚いているとき、その表情を見て、相手の心情を読み取り、コミュニケーションを取っていきます。
また、マスクで口の動きが見えないと、言葉の発音にも影響があると思われます(明確な根拠はまだありません)。
子供は音だけでなく、唇や口の動きを見て「この音はこうやって出すんだ」と理解していく側面もあるので、特に「ぱ行」や「ば行」の音は、唇を大きく動かす音は、口の動きを見せながら覚えていくことができます。
しかし、マスクでその部分が隠れてしまうことで、こうした音を学ぶ機会が減ってしまうのではないかと思うのです。
聞こえ方にも影響が!?
マスクをしていると「相手の話していることが聞こえにくい」と感じた人も多いのではないでしょうか。
特に布マスクは、音声の一部を遮ってしまい、子どもが正確に音を聞き取れない場合があります。幼児期はまだ日本語の音の聞き分けが完成していない時期でもあるので、その影響は大きいと考えられます。
子どもの心のストレス
もうひとつ、意外と見落としがちなものとして心理的な負担もあると思われます。
例えば、表情が見えにくいため、大人が何を考えているのか分かりにくいと言う状況では、不安を感じます。
これは相手とコミュニケーションをする時には言葉だけでなく、相手の顔の表情やジェスチャーもとても大切になります。それがマスクによって制限されると、子どもが戸惑ったり、コミュニケーションがうまくいかなくなることがあります。
どうしたらいい?
では、こうした時にどうしたらいいのでしょうか?
家族間などではマスクを外す
コミュニケーションをとる機会が多い家族は顔や口の動きを見ながら、楽しく会話することがいいと思います。
でも(僕は)全員に症状がなければ集団場面でもマスクを取ってコミュニケーションを取った方がいいと思います。ジェスチャーやアイコンタクトを活用する
マスクをしているときには表情で得られる情報が減ってしまうため、手や体を使ったジェスチャーや、目を合わせるアイコンタクトを増やして分かりやすい情報を増やしてあげる必要があります。透明なマスクを活用する
最近では、透明な部分がついたマスクもあります。これなら、口の動きや表情が見えやすくなるので、発音の学習やコミュニケーションが少し楽になります。しかし、使う場面や環境を選ぶ必要がありますので、無理なく取り入れてみてください。
まとめ
マスクの着用は感染を防ぐために重要なものですが、特に小さな子どもや発達障害のあるお子さんにとって、コミュニケーションや言葉の学びに影響を与えることがあります。そのため、総合的にメリット、デメリットを考えて対応を考えていく必要があると思われます。
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