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家では喋れる。外では喋れない(場面緘黙症)

おはようございます。いわたコトバのそうだん室の岩田です。
僕は吃音(どもり)を持っていますがまだまだ周囲に理解されにくい障害だなぁと思っています。
でもそれ以上に世の中に浸透していない言葉の問題があることをご存知ですか?
それが「場面緘黙症」です。

場面緘黙とは

場面緘黙症は
「ある場所では話せるけど、ある場所では話せなくなってしまう」という障害です。
例えば「お母さんとは普通に喋っているけど、学校では全く喋らなくなってしまう」とかいうことです。
場面緘黙は、2~5歳の間にで始めることが多いですが原因はまだよく分かっていません。

ですが「恥ずかしがり屋さん」「しつけが悪かった」とか親のせい、子供のせいではありません!

誤解されやすい

場面緘黙症は、決して「甘えている」とか「甘やかしているから」「人見知り」ではなく言葉の問題(障害)です。
でもこの問題自体ががあまり知られていないことと、緘黙の子がけっこうおとなしくて、問題をあまり起こさない(というより周りの迷惑になりにくいから問題になりにくい)ので気がつかれないことも多いんです!
だから「治療が必要なもの」となりにくいんです。
でも本人は言葉が出なくて不安に思っていたり、悩んでしまっていることがあるので、早めに気がついて対応してあげたい問題です。

どんな関わりをしたらいいの?

まずは「話す」にこだわらない

まず「言葉でたくさん話す」にこだわらなくても大丈夫です。最終的な目標はどこでも自由に話すことができる」ですが
まずは安心してコミュニケーションできる場を作ってあげることが大切です。

伝えたいことが伝えられるように、お子さんのことをよく観察してみてください。そうすると「身振り」「頷き、首振り」「文字」でコミュニケーションが取っていることがあります。

責めない、追い込まない
言葉が出ないことを「なんで喋らないの」と責めたり「話すまで待ち続ける」ということは子供にとってプレッシャーになって余計に話せなくなることがあります。

大切なのは「自分から話したい」と思えるような場面を設定してあげることです。

話すための練習は思ってるより細かく段階を設定する
場面緘黙の子供が話せる練習をしていく時には目標をかなり細かく設定します。
例えば
「お母さんと個室では話せるけど他の人とは話せない子供」の場合。

ステップ①「個室でお母さんと2人っきりで話す」
     ↓
ステップ②「個室でお母さんと話している時に、ドアの向こうに人がいる
     ↓
ステップ③「個室でお母さんと話している時に、ドアが開いていて遠くで人の声が聞こえている」
     ↓
ステップ④「個室とお母さんと話している時に、ドアが開いていて近くで人の声が聞こえている
     ↓
ステップ⑤「個室でお母さんと話してる時に、ドアの近くに人がいる」

これくらいの細かい段階を設定していくこともあります。

話すための練習のポイント

話すために練習のポイントは、子供が緊張や恐怖をあまり感じることなく「話せた!」という経験を積んでいけることです。
そのために細かい段階を設定して「ちょっと頑張ったらできた!」という経験を積み重ねていきます。
いわたコトバのそうだん室でも場面緘黙の子を訓練していく時には両親さんとたくさん相談しながら協力して練習をしていくことになります。
気になることがあればお気軽にご相談ください!


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