枯れ葉:このシンプルながら妙な迫力のあるショットが、この映画を現実と繋げる力をもっている事にじわじわと気づく。
アキ・カウリスマキ「枯れ葉」
最初のショット、スーパーのレジ、ベルトコンペアを流れる肉の塊。
奥から徐々にカメラに近づく肉の塊。フォローされ画面いっぱいの肉の塊。
そして物語がはじまりアンサの憂いを目撃すると、このシンプルなから妙な迫力のあるショットが、この映画を現実と繋げる力をもっている事にじわじわと気づく。
慣れ親しんでるカウリスマキの映画のはずなのに常に新鮮な(紛れもなくいま起きた事として)目の動き、顔の陰影、その行動が、画面に刻印される。フィクションを超えた迫真がまっすぐ届く。カウリスマキはいつも素晴らしい。