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応援と購入のベクトル 【 #値上がりしても買う理由 】

先日、山形からサクランボが届きました。
開けた瞬間、眩しい!!海賊船に積まれた宝石箱のような輝きでした。

こんな宝石箱が×2箱🍒
「爽凛」という品種は農園オリジナルだそうです。
食べ比べを楽しんでいるうちに、写真を撮り忘れ……😅

こちらは、クラウンドファンディングのリターンです。

 送ってくださった農園のhanaさんと知り合ったのは2年前。たなかともこさんが主催していた「おうち遊び大賞」という私設note企画で、私はサクランボ賞を受賞させていただきました。実はこの企画以前からもhanaさんの投稿は拝見しており、日々山形の風を感じておりました。

 当時、サクランボが届いた日の様子がこちら☟

おいしさ × 人柄 = ファン

といった算式が2年前に成立し、今回のクラファンも迷わず支援させて頂きました。

以下、投稿は次の企画に関するものです。


■ 値上げはやむを得ない

 一消費者としても値上がりを実感していますが、それよりも仕事で事業者様からの値上げに関する相談がかつてないほど増加しています。電気料がまた上がると連絡がきた、各々の経費の上昇率を確認したい、自社も値上げを実行した先月の影響を細かく分析してほしい、など。

 値段を変えないという企業努力は、それが経営者の美学であるというケースもあります。経営理念は人それぞれ。ただ、事業を続けていくためには、成長をしなければどこかで途絶えてしまいます。

当社作成の経営分析資料の一部より

 例えば、企業の経営分析の1つに「成長性分析」というものがあります。

【 成長性分析の一例 】
⑴ 企業のヒトや財産が増加しているか
⑵ 売上高が増加しているか
⑶ 売上総利益(粗利)が増加しているか
⑷ 経常利益(固定費等を控除したもの)が増加しているか

過年度と比べて取引高や利益率が向上しているかを分析します。

 上記例の理想の伸び率は、⑴<⑵<⑶<⑷です。「⑵売上」の金額が伸びても、「⑶売上と原価の差額である粗利」が伸びなければ、儲かりにくい体質になっているということ。現在、売上が仮に伸びたとしても「⑷経常利益率」が伸びないどころか、確保できないという事例が増えています。様々な固定費が異常に上昇している今、適宜値段を変動させてきた事業者だけでなく、「今までは大丈夫だったから」と単価の改定に慎重だった中小零細も、値上げを強く意識しなければいけない事態になっています。



■ ファンになる、ファンをつくる

 今回の日経COMEMOのテーマである「値上がりしても買うもの」について、私個人的に挙げられるものは大きく次の3つでした。

⑴ それを買うしか他に選択肢がないもの
⑵ 値が多少上がっても、それ以上に付加価値を感じているもの
⑶ 購入する際の判断材料で「値段」の優先順位がかなり低いもの

 ⑴は水道光熱費やガソリン代など。契約方法や利用方法を見つめ直し下げる努力はできるものの、やむを得ない部分です。⑵は、財布と睨めっこの買い物。そして⑶は今回の投稿の冒頭に書いた「ファン」という価値観です。

 そのヒトが好き、モノが好き、店が好き。特にBtoCやCtoCといった消費者にモノやサービスを提供する場合には、重要な価値観ですね。

 さくらんぼの話では「おいしさ×人柄=ファン」と書きましたが、より汎用性のある書き方をすれば「モノの魅力×ヒト(または店)の魅力=ファン」になるかと思います。そして、魅力のあるモノやヒト(店)は世の中至る所にありますが、それを知ってもらうというストーリーブランディングも重要になってくるでしょう。作り手の思いや背景、商品化までの過程や日頃の取組みを発信することなどです。

 大手企業やベンチャー、若者が中心の事業者であれば、マーケティングとともにブランディングを行うことは当然の取組みですが、私は「魅力があるけれど、発信することには消極的」だった中小零細やhanaさんのような事業者こそ、過去・現在・未来のストーリーを思い返し、発信していく必要があると感じています。

 特に地方では少子高齢化や過疎化の問題で、最もファンになってもらいやすい「直接触れることができる人口数」が減り続けています。担い手不足という点では関係人口を増やそうというプロジェクトがずっと謳われていますが、私も一地方の人間として、事業者も間口を拡げて「ファン人口」を増やす働きかけをしていきませんかとよく提案しています。

総務省より: https://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/about/index.html

 HP、SNS、Youtubeやメディア、クラファンなどを通じて。また、どんなにブランディングが上手でも、モノと発信にズレがあれば一度きりでファンにはなりません。モノと見つめ合い、そして知ってもらう。大手だろうが小規模事業者であろうが、両輪で取り組む必要性は同じ。厳しくもあり、ただ可能性も広がっている世の中になりつつあると感じています。



■ まとめ:応援と購入の関係

 「おいしいさくらんぼが届きましたよ~」と投稿をしようと思った際に、見つけた「#値上がりしても買う理由」というお題。さくらんぼが値上がりしたわけではありませんが、今回「支援」させていただいた理由に、そのヒントがあるように感じました。応援したいと思うことは、買いたいという動機よりもハードルが高くても、ベクトルは同じ方を向いているということです。

 以前、同じくクラファンに挑戦したいというお客様が言いました。「同情するなら、金をくれ」みたいな伝わり方はしたくないと。そこで私は「共感するなら、追ってくれ」という路線でいきましょうと話しました。一時的に支援を呼びかけるのではなく、応援してもらった人に継続して情報を発信していくこと。発信をワクワクしながら追いかけてもらえるような取り組みを目指しましょうという意味です。自分も相手も笑顔になるような買い物ができたら。手元に届いたモノをみて、ストーリーを思い浮かべられる買い物ができたら。そんな買い物ができれば、値上がりにさえも共感できるかなと思います。



■ おわりに

 今回は対消費者という視点で書いてみましたが、BtoBにおいてはファンという視点はなかなか難しい面があります。差別化と置き換えることができるかもしれませんが、新電力事業者撤退による電力難民問題など、一企業ではどうにもできない問題が山積みです。
 また、どんなにその店のファンでも生活が厳しければ「買う・買わない」ではなく「買える・買えない」で判断せざるを得ない状況になります。月並みですが、選挙も迫ってきていますし、社会や政治を他人事と思わずに向き合っていく必要があります(むしろそれは本来の姿ですが)。私は職業柄、税制建議案というものを毎年提出しています。例年実務上で気になる点を挙げていましたが、本年は暫定的なものでも経済対策となり得るような案を挙げる予定です。小さな声でも、同じような意見が集まれば大きな風潮になることを期待して。

今回もサクランボピアス🍒
hanaさん、ありがとうございました。


#日経 #COMEMO #値上がりしても買う理由
#買ってよかったもの #私のイチオシ #さくらんぼ


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