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緑の湖畔

私は緑の湖畔にひとり立って、
屈折した肉体を忘れる。
濁っていて見えないから、
花でも砂でもよろしいでしょう。
あなたと見つめあっても、
時は止まらなかった。
もう帰らないと、私たち、
うっかり永遠なんて手にしないように、
必然の中に生まれてきたりしないように。

『ココア共和国』2024年11月号傑作選Ⅱ 掲載作

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