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ファストファッションの光と闇。私たちが安い流行服を求めた結果 【労働環境編】

キッカケは2013年バングラデシュでのラナプラザの悲劇について知った時。私はこんな事件があったことなんてほとんど記憶にない。自分の目の前のことにしか興味がなかったんだ。でも、この事件の背景を知ることで、自分が暮らしている土台や責任を痛いほど感じるようになりました。

「ザ・トゥルー・コスト〜ファストファッションの真の代償」私もまだ見られてない。。。でも予告編だけでも十分価値がある。

私のファッション遍歴。
DCブランド▶️裏原ファッション▶️ファストファッション

私の中高時代はDCブランドが全盛期で、私服で行ける高校の修学旅行はファッションショーさながらだった。大学時代はスーツやコートで10万円くらいかけていた。

その後、裏原ブームや109ブランドなどが流行り、ついにファストファッションが登場。歳を重ねたら高級ブランドの服を着るようになるのかと思っていたのに、真逆。ファッションにまったくお金をかけない大人になってしまった。1点1万円も出すと高い買い物だと感じるほど。

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↑こんな時代もあったよねw (当時の雑誌から)DCブランドというより、バブル時期のパーティの様子。

ファストファッションとは、ファストフードと同じ”すばやくトレンドを取り入れて手軽(安く)に”ファッションを楽しめることから、忙しい現代人にフィットした。GAPやユニクロ、H&MにZARAなど次から次へと登場。

実は、私は母が洋裁をしていることもあり、小さい頃からファッションスタイリングの絵に描くのが大好きだった。テレビや漫画で見たファッションをアレンジしてさまざまなスタイリングを考えていた。お金のない学生にとっては絵を描くことで、自分の欲望を満たしていたんだと思う。

私が描いたファッションスタイリングの絵を母の仕事場に飾っておくと、小中学生の女の子たちが見学に来ては、新作が出来上がると古い絵をもらって帰っていったのだそう。

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ファッションは自己表現のひとつ。
流行っている服を着ることは、どんな自己表現?

だからなのか、服に関しては自己表現のひとつだと思っているところがあり、他の人と同じようなスタイルはあまり好きじゃなかった。
また、面白いことに、ファッション雑誌を編集していると、紹介しているだけで着た気分を味わえてしまう。ドラマで疑似恋愛とかに近いのかもw 

編集者時代にお気に入りだった少し個性的なデザイナーのブランドとその周辺ブランドが、多分10年ほどの私のクローゼットの中身だった。ところが、6〜7年ほど前にデザイナーから辞めると連絡が入った。

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彼女のブランドが大きな企業の傘下に入り、自由なデザインがしづらくなったらしい。正直、しばらくはどこで服を買ったらいいのかわからないファッション迷子期間へ突入。。。

その頃、ちょうど雑誌編集者から経営戦略などの硬い部門へ異動。ジャケットやスーツを着る機会も増えたので、デザイン性の高い服より定番服へ。自然とZARAやユニクロへシフトしていった。

会社から独立した今は、コロナも重なり外へ出る機会も激減した。今はファッション断捨離を敢行し、トレンドはほぼ追わない。自分のお気に入りアイテム数点を着回すような感じになってきた。買うのはほとんどZARA。

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ファストファッションのビジネスモデルと
その影で私たちが知らなかった真実

私の話が長くなってしまったw
テーマはファストファッションについてだ。自分の過去と照らし合わせると、知り合いのデザイナーが辞めたタイミングはまさにファストファッションが全盛になりつつあった時と一致している。日本の中価格帯のアパレルが、その頃から大打撃をくらったという話は↓の本から知った。

↑めちゃくちゃ参考になった。消費者にできることもよくわかる。

ファストファッションの多くは全世界で売られているため、大量生産・大量消費が前提だ。モノづくりについて調べたことがある人はわかるだろうが、モノを作るときには大量生産する方が1個あたりのコストは下がるようになっている。だからよりたくさん作ろうとする。

さらに、そのコストを少しでも下げるために、人件費が安い国に縫製などを発注する。それが以前であれば世界の工場と呼ばれた中国であり、その後バングラデシュやベトナムになっているという。

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↑ラナプラザの事件の現場。この建物の下敷きとなった被害者は、縫製工場で働く労働者たちだった。彼女たちはファストファッションの下請けだ。

今の中国を見ればわかるように、世界の工場として経済が発展することで、国が成長することができるようになる。それ自体はとても良いことだ。ただし、そこで働く人たちの人権を無視した状況になることが多々ある。

アパレルにおいてそれが大きく報道されたのが2013年のバングラデシュで起きたラナプラザ事件だ。死者1134人、負傷者2500人以上。建物の崩壊の危険があり避難勧告がなされていたのにも関わらず、無視され続けた結果起きた悲劇だ。彼女たちは世界の名だたるファストファッションの下請け工場として働いていた。

遠い後進国で起きた残念な事件なのか?
私たちには関係ない問題なのか?

バングラデシュの工場監督が悪い! という見方ももちろん正しい。
でも、彼らにそういう意思決定をさせるようにしていたのは、先進国のアパレルでもある。

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「より早くより安い工場」を選ぶ立場だから強気で交渉できるからだ。
そして、そのアパレルにコストを下げ、安い商品を売らせているのは、私たち消費者だ。コレは、間違いない真実だ。

でも、私たちはそんなことはまったく意識していない。自分たちがラナプラザ事故を起こしたなんて、考えもしない。自分には関係ないことだ、そう判断して悲しい事故をスルーしてしまう。

私たちにできることはなんだろう?
知ること、そして一歩動き出すこと

ファストファッションを買うな、ってことじゃない。この事故後にいろいろ改善されたことも多い。が一方で、まだ手付かずのことも多い。

まずは、こういった世界中で起きている出来事を知ることが最も大事なことだ。「知らないことは罪」という格言はよく言われている。そしてもう少し強い表現で、私は「動かないことは暴力」という言葉も真実だと思う。見て見ぬ振りをすることは、加担していなくても暴力と同じだと。
いじめの現場を想像してもらえるとイメージは湧きやすいだろう。

自分で情報を得て、考えて、行動に起こす。自分にできることからで構わない。そんな優しい社会になることを願いたい。

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いわみん
下町の2D&3D編集者。メディアと場作りのプロデューサーとして活動。ワークショップデザイナー&ファシリテーター。世界中の笑顔を増やして、ダイバーシティの実現を目指します!

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