岩倉康浩

江古田Music School(代表) http://ekoda-music.com ST.SAWAIオリオンズ@銀座(専属ピアニスト) http://ginza-orions.net

岩倉康浩

江古田Music School(代表) http://ekoda-music.com ST.SAWAIオリオンズ@銀座(専属ピアニスト) http://ginza-orions.net

最近の記事

脳活性ツールとしてのピアノの3つの可能性 (中編)~ 脳を鍛えたい人が知っておくべき5つの概念~

脳を鍛えたい人が知っておくべき5つの概念今回の3部作投稿 中編のスタートです。 中編は音楽色は殆どありませんが、脳科学に興味がある方ならば重要なエッセンスを5つのキーワードで掴める、タイムパフォーマンスが高い内容になると思います。私がこれまでに読んできた数十冊の脳科学や学習科学の本の中から厳選した、初学者が知っておくべきトピックを5つ紹介します。 ①脳の可塑性 ②BDNF(脳由来神経栄養因子) ③Use it or Lose it ④Neurons that fire

    • 脳活性ツールとしてのピアノの3つの可能性 (前編)~音楽教育のゲームチェンジを目指して~ 

      中国の急激なピアノ離れに思うこと 2024年4月14日、日経新聞にこんな記事が掲載されました。 『世界最大のピアノ生産国である中国で、ピアノの生産台数が急減している。2023年は約19万台と19年比で半減した。当局が教育政策を転換したことにより入試での芸術加点制度がなくなり、景気回復の遅れも加わってピアノ離れが一気に進んだ。(中略) 変調の一因は教育改革だ。以前は芸術や運動の領域で優れた実績があれば入学試験で加点される仕組みがあり、受験競争が過熱するなか、これがピアノ

      • 「敬老の日」に紹介したい3冊

        極めて個人的な話ですが、2023年は親しい人とのお別れのために、元日から斎場の遺体安置室に足を運ぶという悲しい始まり方をした年でした。 亡くなったのは私が毎週水曜日にラウンジピアノ演奏を務めている銀座の老舗BAR、ST.SAWAIオリオンズのバーテンダーのH氏。享年40歳。 毎週顔を合わせていた気の合う同僚の訃報が伝えられたのが2022年の大晦日。12月28日(水)は元気な様子で、「来年は一緒にゴルフを頑張ろう! 年末年始飲み過ぎるなよ!」と言って別れたものの、その時には

        • ライブ配信の社会的考察①

          まずは軽く自己紹介 ラウンジピアニスト(銀座7丁目 ST.SAWAIオリオンズの専属ピアニスト)、江古田Music School代表の岩倉康浩と申します。 昨年の4月に友人の勧めで17LIVE(ワンセブンライブ 当時の呼称は「イチナナライブ」で現在もそう呼ぶ人が多い)というアプリでのライブ配信を始めました。ちなみに17LIVEでの私のIDは「らうんじPianist」です。 当初は配信する予定はなかった 一番最初に17LIVEのアプリをダウンロードした時の私の第一印象は

          私の即興音楽のルーツは「レゴ」にあった気がする

          子供の頃にレゴで遊んだ事がある人はどのぐらいいるでしょう? 私が子供の頃(幼稚園~小学1・2年生の時)、我が家にはレゴの色々なブロックが詰め込まれたバスケットがありました。 レゴにはお城シリーズとか、スターウォーズシリーズなど、特定の対象物をつくるためのセットが多く販売されていますが、我が家にあったのは雑多なブロックの寄せ集め。 我が家のバスケットの中は黄色のブロックばかりあったので、中身のベースは上の写真のようなセットだったと思われます。 問題なのは、我が家のレゴは

          私の即興音楽のルーツは「レゴ」にあった気がする

          「耳コピー」について④ 銀座のラウンジピアニストが本気で解説

          「耳コピー」についての解説ブログ、今回は第4話目です。結論まで一気に持っていきますので、よろしくお願いします! 【前回のポイント】 大人になってからでも耳コピーは身に着くのか? 私の答えはYES! ただし、幾つか外せないポイントがあり、特に重要なのは次の5つのキーワード。 ①必要最低限レベルの音感 ②自分にとって丁度良いレベルの曲選定 ③中級程度の音楽理論 ④音楽的予測力 ⑤音楽の構造把握力 このうち、①、②については前回記事で取り上げましたので、今回は③以

          「耳コピー」について④ 銀座のラウンジピアニストが本気で解説

          「耳コピー」について③ 銀座のラウンジピアニストが本気で解説

          「耳コピー」についての解説ブログ、今回は第3話目です。 【前回のポイント】 音楽と言語は、どちらも基本構造の「パターン」がある点で似ている。 どちらも習得のためには、「パターン」を知り、「使い倒す」事が有効。 理屈を頭で理解した上で、身体・感覚にも染み込ませる事で、実戦的な力が培われる。 ・・・・・・・・・・・ 今回は、これを踏まえて具体的な方法論まで踏み込んで行こうと思います。 実は「耳コピー」は聴いた曲を片っ端からピアノで再現しまくる、という愚直なアプローチ

          「耳コピー」について③ 銀座のラウンジピアニストが本気で解説

          「耳コピー」について② 銀座のラウンジピアニストが本気で解説

          「耳コピー」についての解説ブログ、今回は第2話目です。今回から段々と実戦的な話にシフトして行こうと思います。 【前回の振り返り】 耳コピーの究極形態は、「①どんな曲でも、②パッと聴いて、③スラスラ弾ける」事。 ①~③についてはそれぞれ、①は認識・対応できる曲のパターン数の問題、②は反応速度(分析スピード)の問題、③はイメージ通りに演奏できるかという技術的スキルの問題、と分解して捉えることもでき、これらは正しいしい方法で訓練すれば上達可能である。 ・・・・・・・・ 「

          「耳コピー」について② 銀座のラウンジピアニストが本気で解説

          「耳コピー」について① 銀座のラウンジピアニストが本気で解説

           まずは自己紹介を簡単に。昼はピアノ講師(江古田Music School 代表)、夜はラウンジピアニスト(銀座ST.SAWAIオリオンズ 専属ピアニスト)をしております岩倉康浩と申します。  本題の「耳コピー」について論じる前に、まずはラウンジピアニストという仕事について触れておきます。簡単に言えば、ホテルやバーなどのラウンジ空間でBGM演奏をする仕事であり、誤解を恐れずに申し上げれば、ラウンジピアニストに求められるのは「質」より「量」、レパートリー数こそが、この仕事の生命

          「耳コピー」について① 銀座のラウンジピアニストが本気で解説

          サウンドマーケティング入門③~サウンドスケープの重要性~

          サウンドマーケティングについての世界を紹介する3話構成ブログ、今回はその最終話です。 ①聴覚の特性について (前々回) ②音を利用したブランド戦略 (前回) ③サウンドスケープの重要性 (今回) 今回のブログを書くにあたり主に参考にしたのは、書籍『なぜ、あの「音」を聞くと買いたくなるのか ~サウンド・マーケティング戦略~』ですが、今回はこちらも援用します。 サウンドパワー ~わたしたちは、いつのまにか「音」に誘導されている!?~ これから「サウンドスケープ」につい

          サウンドマーケティング入門③~サウンドスケープの重要性~

          サウンドマーケティング入門②~音を利用したブランド戦略~

          サウンドマーケティングについての世界を紹介する3話構成ブログ、今回はその2話目です。 ①聴覚の特性について (前回) ②音を利用したブランド戦略 (今回) ③サウンドスケープの重要性 (次回) 今回のブログを書くにあたり主に参考にしているのはこちら なぜ、あの「音」を聞くと買いたくなるのか ~サウンド・マーケティング戦略~ 本書の著者、ジョエル・ベッカーマンはサウンド・マーケティング戦略を専門とするマンメイド・ミュージック社の創立者。 同社は色々な企業のサウンド

          サウンドマーケティング入門②~音を利用したブランド戦略~

          サウンドマーケティング入門①~聴覚の特性について~

          今回から3回にわたって、サウンドマーケティングの世界について紹介していこうと思います。 3話の構成としては以下の予定。 ①聴覚の特性について (今回) ②音を利用したブランド戦略 (次回) ③サウンドスケープの重要性 (次々回) 今回のブログを書くにあたって、主に参考にさせて頂くのはこの本。 なぜ、あの「音」を聞くと買いたくなるのか ~サウンド・マーケティング戦略~ 英語版のタイトルは THE SONIC BOOM 反射的にこんな画像が脳内に投影された人は、お

          サウンドマーケティング入門①~聴覚の特性について~

          自己紹介& noteを始める動機について

           2021年はnoteを始める事にしました。まずは簡単に自己紹介を。  岩倉康浩(いわくら やすひろ)と申しまして、昼はジャズピアノの講師(江古田Music Schoolの代表)、夜は銀座でラウンジピアニスト(ST.SAWAIオリオンズ専属)をしております。  どちらもピアノ絡みの仕事であり、どちらも何故か「先生」と呼ばれます。銀座という土地柄、かなりの名士もお見えになり、上場企業の社長や有名団体のトップの方々に「先生」なんて呼ばれると何だか不思議な気持ちになりますが、ま

          自己紹介& noteを始める動機について