行ったり来たりの僕と僕

頭が洗脳されてるみたいだ

ずっと君のことが頭から離れない

会社でも少ししか話したことないのに

君のこと全然しらないのに

あのかわいさにあのシルエット

あの笑顔にあのあいきょう

絶対彼氏いるだろうな

どんな彼氏なんだろう

きっとイケメンで優しくて

さわやかでスーツが似合って

君の手をつないでふたりで笑いあって

僕はそれを指をくわえてみていて

なんだあいつ、きも、て思われるのかな

ああ、もうやめたやめた

もう君のこと考えるのやめた

そうだ、仕事のこと考えよう

入社して5年経って

仕事にはだいぶ慣れてきたけど

仲の良い先輩も後輩もできないな

他の同期は後輩と飲みに行ってるよな

この前のとこ行くか、みたいな感じで

今日はおごらないぞ、みたいな感じで

僕も後輩とそんな会話してみたいな

後輩と仕事の話しかしたことないし

僕と行ってもおもしろくないだろうな

僕ちょっと嫌われてるかな

ああ、もうやめたやめた

もう仕事のこと考えるのやめた

そうだ、君のこと考えよう

君の課の前を通るとき

君とたまにすれ違うとき

見ちゃいけないと思っていても

ついつい君のことをみてしまう

これだけ見てしまっていたら

君もきっと気づいてるだろうし

不気味に思っているかな

きっと僕避けられてるだろうな

せめて君の邪魔にならないようにしないと

好きにならなければ楽なのにな

ああ、もうやめたやめた

もう君のこと考えるのやめた

そうだ、家族のこと考えよう

父さんが死んでもうすぐ2年

母さんは元気だよ、大丈夫だよって

電話では言ってるけど本当かな

ひとり暮らしが心配なら

僕が実家に帰ればすむ話なんだろうけど

やっぱり帰りたくないな

でも、僕長男なのに

田舎のこと兄弟に任せっきりで

父さんが倒れたときも

僕だけ見取れなかったし

どんどん居場所がなくなっていくよな

もう長男なんておもわれてないな

ああ、もうやめたやめた

もう家族のこと考えるのやめた

そうだ、君のこと考えよう

君と次話せたときは

こんなこと聞いてみようとか

こんな冗談いえたらなとか

いろんなシュミレーションしてるけど

だぶん何もできずに

お疲れ様です、しか言えないだろうな

ていうか、君に廊下で会うことも

まったくなくなったような気がするな

やっぱりガチで避けられてるのかな

だとしたらもう会社やめたいな

まさか君もやめたいって思ってるかな

僕は好きになることすら罪なのかな

さわやかなイケメンに生まれかわりたいな

ああ、もうやめたやめた

もう君のこと考えるのやめた

なにか他のこと考えよう

ああ、もうやめたやめた

もう他のこと考えるのやめた

やっぱり君のこと考えよう