天気予報の迷い人
充実感のない虚しい学校生活だった
悪い子にならない理由でいい子に勉強してた
少しずつずっと泣いているような私の心に
そっと手を添えたあなたのふいな言葉
「雨、降ってきそうだね」
そうあなたが声を掛けてくれた日から
私はずっと雨雲を探してた
またあなたに話しかけてほしくて
遠い空のどんよりした雲は
なかなかこっちに流れてこなかった
一ヶ月が経ち三ヶ月が経ち
半年が過ぎようとした季節の終わり頃
「いつも空みてるね」
そう話しかけてくれたあなたの勇気が
半年前のあの時と同じものだったなんて
私はあなたの恋人になった
あなたと一緒に空をみてた
正直もう雨雲なんてどうでもよかったけど
わたしはいったい何になりたいんだろう
あなたと結びつけてくれた空に聞いてみた
「今日の雲はどんな感じなの」
あなたが隣でいつまでも言うから
私は気象予報士になろうと思った
泣いていた心が泣き止んだ気がした
寂しい気持ちのままずっといることは
どんなに耐え難いことなんだろう
もし今あなたがそばにいなかったら
私はまだ雨雲を探していたかもしれない
「一生僕の空をみてくれませんか」
あなたにそう言われたときは
本当に何の事か分からなかった
プロポーズの例えが下手すぎて
ビルの屋上から天気を中継して
破天荒な女子アナに苦笑いする
家に帰ればあなたに会える
空が私に教えてくれたあなたとの生活
「ねえ、今日晴れるの、雨降るの」
そろそろ私に聞かないで天気予報見てよ
窓から遠い空のどんより雲をみて
ふと思い出すあなたと空と雲の思い出