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私的音楽録119(奈良ゆみ他)
1181.ロバートクラフト指揮フレッドシェリー弦楽四重奏団:シェーンベルク作品集第3集
1182.ブーレーズ指揮ニューヨークフィルほか:シェーンベルク「浄められた夜」ほか
1183.ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団:ムソルグスキー「展覧会の絵」
1184.奈良ゆみ:オリヴィエ・メシアン歌曲全集
1185.塚谷水無子:ぬんこむ(Num Komn,der Heiden Heiland)
1186.三枝伸太郎:Shintaro Mieda Orquesta de la Esperanza
1187.奈良ゆみ:クルトヴァイル
1188.奈良ゆみ:ガブリエルフォーレ「メロディズ」
1189.奈良ゆみ:ジャンクロードエロワ
1190.日野皓正:ダブルレインボー
⚫︎1184. #奈良ゆみ さんは大阪出身、パリ在住のソプラノ歌手。一般的にはあまり知られてないが、いわゆる #現代音楽 の歌い手としては世界的なソプラノの一人であると言える。
相愛女子大学(現相愛大学)声楽科卒業後、フランス政府給費留学生として #パリ国立高等音楽院 に入学。音楽院では #メシアン に才能を評価され、その後パリを拠点として音楽活動をしてきた。日本で知名度が高くないのは、活動拠点がずっと欧州だったからにほかならない。
そんな奈良さんがこの作品、メシアンの歌曲集を歌うのは極めて必然である。メシアンは自然を題材にした作品が多くテーマだけなら日本人に合いそうだが、彼の曲を実際に歌いこなせる人はそうはいない。
腹の底から人間の喜怒哀楽がマグマのように湧き出る。それでいてその声質は繊細かつ美しい。聴くものを静かに圧倒する。
奈良さんは #ブーレーズ 、#シノーポリ 、#エトヴェシュ などの著名指揮者との共演も多く、#パスカルデュサパン 、#グエンチェンダオ、 #松平頼則 、 #平義久 など多くの #現代作曲家 の曲も歌っている。
2020年には東京で音楽詩劇「葵の上―業のゆくえ」(松平頼則作曲、#笈田ヨシ 演出構成)に出演。 #演劇 では #ピーターブルック 演出の『骨』や『マハーバーラタ』、#フランソワヴェレ、 #ヴィオラファーバー の現代舞踏にも出演している。
音楽だけでなく演劇、舞踊の世界も含め、類い稀なる表現力が欧州でも評価されている証であり、メシアンの作品集こそ、奈良さんによる芸術活動の一つの到達点にあるだろう。
DISC 1
三つのメロディー (1930)
1.なぜ?
2.ほほえみ
3.帰らぬ許嫁
ミのための詩
4.感謝の祈り
5.風景
6.家
7.恐怖
8.妻
9.君の声
10.二人の戦士
11.首飾り
12.叶えられた祈り
13.ヴォカリーズ
天と地の歌
14.ミとの睦まじい暮し
15.沈黙のアンティフォーナ
16.赤ん坊ピリュールの踊り
17.無垢な虹
18.真夜中の裏と表
19.復活
DISC 2
ハラウィ~愛と死の歌~
1.前、眠っていた街よ
2.こんにちは、お前、緑の鳩よ
3.山々
4.ドゥンドゥ チル
5.ピルーチャの愛
6.惑星の反復
7.さよなら
8.音節
9.階段は繰り返し言う、太陽の身振り
10.愛の星鳥
11.星のカチカチ
12.闇のなかに
奈良ゆみ(ソプラノ)
ジェイ・ゴットリーブ(ピアノ)
2004年12月パリで録音