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恋と夢とディストピア- 「ネビュラロマンス 前編」 Perfume アルバムレポ
『ネビュラロマンス 前編』が配信されたのは昨年の9月。
それから結構経ちましたが、
音楽番組でのパフォーマンスを見てますますアルバムの曲が好きになって、
私的に今1番熱くて、
レポしたくなったのでします🔥
ツアーも参戦予定です。
レポするなら〜 今 IMA IMA IMA 🎶
1 .「The Light」
まずイントロの
ぐぅ〜わ〜ん⤴️
という音でテンションが高まる。
あと、"THE LIGHT" のフォントがカッコよくて可愛い。
すぐ後の "カンカンカンッ
(ポンポンポン?)” と、
水面の中に何かが落ちて弾けたみたいな音で
(↑?)
静けさと緊張感が加わり、ちょっとドキドキする。
歌が始まると割とローテンポです。
"Wow-oh-oh ♪" のところ、
アジアツアーのライブ映像ではコール&レスポンスしてて超楽しそうだったから、ライブで生で聴くの楽しみ。
このアルバムは
全体を通じて歌詞のSF感が強くて、
NieR:Automataとか、PSYCHO-PASSの世界観大好きな私としては、歌詞を見るだけでも色々空想しちゃって楽しすぎます。
しかもPerfumeの曲の中では(おそらく)珍しい「戦闘モード」な歌詞が多い。
アルバムのジャケットでも3人とも銃を持っているし、(「GAME」以来?)今回はバトル系かもとワクワク。🔫 💫
この曲は
(Wow-oh-oh) running through the city lights
(*街の明かりを走り抜けて)
(Wow-oh-oh) racing 'till the morning light
(*朝日が昇るまで競う)
という歌詞から始まります。
※英訳の正誤は怪しいです、すみません。
"racing" という、競争を示している感が強い単語が新鮮。
(既存曲「Dream Fighter」にはもちろん "fighter" が入っていますが、"まだまだ旅は続くよ"みたいな応援歌の感覚が強くて、競争要素はないと思ってます。)
それから気になるのは、
Everything already 造り笑顔で
悲しい顔 人形の街
(略)
電源を探す目を閉じたまま
カラダがまだ動かないわ
こういう”荒廃した街” のような、ディストピアっぽい歌詞です。
このアルバムは他の曲もこういう雰囲気の歌詞が多くて、良い意味で怖い。
でも、
頭をよぎるのはキミとの愛
巡る回路 幻じゃないわ
"幻じゃないわ” って、ちゃんと救いがあるのが温かい。
「キミの愛」じゃなくて「キミ "と" の愛」になってるところで、温かみが増してくるのが素敵。
2.「ラヴ・クラウド」
"I don't wanna dance"(*踊りたくない)
から始まりますが、
超絶疾走感強めで、絶対踊りたくなる曲。💃
イントロから超超ちょーかっこいいんだもん!
「Moon」のEPで初めて聴いた時にカッコ良すぎて、テンション上がりまくりました。
もちろんダンスもかっこいいし。
聞いてると、
あ〜ダンス上手い人だったら本当にカッコよく踊れるんだろうなぁ…と、ダンスが上手かったらなぁ妄想をせずにはいられません。
ていうか、
どうやったらリズム感って生まれるの。
なんでダンス上手い人って、ダンス上手いの?
羨ましい…
出だしのサビパートの最後が
さりげない hold on 浮かんじゃうわ 恋雲
なんですが、
”恋雲(こいぐも)”って語感がなんか可愛い。
"浮かんじゃうわ 恋雲” って…可愛い。(ばか。)
一応 "恋雲" に意味はあるのかな?と思い調べてみました。今回の歌詞の文脈とは関係ないかもしれませんが。
「龍鳥恋雲」
籠鳥雲を恋う(ロウチョウクモヲコウ)とは:
《かごの中の鳥が大空の雲を恋い慕うの意から》拘束されているものが、自由な境遇をあこがれるたとえ。 また、遠い故郷を恋しく思うたとえ。 籠鳥雲を望む。
↑太字の部分は少し、 ”どこにあるかわからない未来を探している” みたいな、アルバムの雰囲気と合ってる?かも。
それから中盤のサビ前の、
恋に落ちる時はそう escalate, escalate, escalate, escalate
の "escalate" が重なるところで
ぐーっと盛り上がって、
その後の間奏の、
機械とか歯車がキュイーンと、ぐるぐるーっと回るような音でさらに盛り上がって最高。
あと単純に、
街角に浮かぶ キミを見てた
この2番の出だしの歌詞が幻想的で好きです。
サイバー空間のスクリーンに浮かぶのかな、みたいな。
水面に浮かぶパターンだったとしてもエモい。(?)
3.「Cosmic Treat」
雲を突き抜けて宇宙へ。
とにかく踊って歌ってチャーミング!
feel the funky beat 🎶
出だしとサビの歌詞も、超パリピな感じです。
”Join the interstellar party(*星間のパーティーに参加しよう)"って言ってるし、わっくわくな雰囲気が充満してて楽しい曲。
みんな大好き「無重力ダンス」は、
体幹強くなきゃひっくり返っちゃいそうな振り付けです。
お三方があまりに軽々と踊っているので、いつ見てもびっくりする。
この曲で私が1番好きなところは、
最初の
Get ready to blast off, feel the funky beat
(*ファンキーなビートを感じて、飛び出す準備をしよう)
Join the interstellar party, it's a cosmic treat
(*星間のパーティーに参加しよう、これが宇宙のもてなし)
※ treat:もてなし・ご馳走
の直後に、
パァーン✨
という音が入って、この間の音に合わせて
キラーン✨とポーズを決める振り付け。
繰り返し出てくる他の箇所では、
"treat" の歌詞終わりにぴったり合わせてポーズするのですが、
この最初の部分は、少し歌詞と箔がずれたところの音で決めているところが、何とも言えずかっこいい…!
それから、1番のサビ前(Aメロ?)は
暗闇に 浮かぶこの宇宙船(ふね)
上も下もない街で
(略)
キミと踊る 僕のサーチライト
"暗闇"、"上も下もない街"など、迷っているような、場所が定まっていないような空間の中にいて、
"サーチライト" でそれを探しているような、少し不安がある雰囲気。
サーチライト:
照明器具の一種で、特定の方向に強力な光線を投射するための反射体を有する装置。通常、上下左右に振ることの出来る経緯台に取り付けられている。19世紀後半から軍事利用が始まった。
しかし2番では
虹色に 浮かぶこの宇宙船
超えるのは そう天の川
(略)
キミと踊る 僕はサテライト
"虹色"、 ”超えるのは天の川” など明るい空気感になって、
「僕"は"サテライト(衛星都市)」と、その場所が定まった、見つかった安心感が増すような歌詞に。
後半に行くにつれて盛り上がりがどんどん加速して、テンション上がります。
4.「Starlight Dreams」
1曲前の盛り上がりから少し落ち着いて、しっとりと、ゆったりとした曲調。
そしてタイトル通り、主人公が眠る間に見ている"夢"をのぞいているような歌詞。🦄
サビ以外の歌はソロなので、1人1人の歌声がクリアに聞こえるのが魅力です。
特に、単語と単語が繋がる部分は少し声が震える感じ(ビブラートで合ってるかな?)が効いていて素敵です。
さらに、3人の声が重なる部分はとっても優しい声色。
本当に夢を見ているみたいな、ふわふわした心地もあって、夜に聞くとめっちゃ良さそう(良い)です。
Hold me close, in starlight dreams
キミへ続く light wave
(略)
浮かぶシートに揺られて
キミの夢を見ていたの starlight dreams 眠り
歌の中の主人公は "キミへ続く” とか、
”キミの夢を見ていたの”とか、
意識がはっきりと ”キミ" という対象に向かっているにも関わらず、
サビの締めは必ず
遥か遠い夢
になってるところが切ない。
5.「IMA IMA IMA」
最初の、
キュルルルキュルルル♪
っていうイントロの音で一気に夢から覚めて、まさしく "現実世界" に引き込まれていきます。
ジャジャン!ジャーン♪
のところで3人がポーズ決めるところが可愛い。
(伝われ)
この曲、歌詞を聞けば聞くほど好きになる!
アルバム曲の中で、歌詞が1番好きかもって思うくらい切なくて、でも心の奥がキュンとする。
ここからは少し歌詞の紹介。
1番と2番の歌詞を比較してみます。
まずは1番の最初↓
悲しみを持たずに 造られたわたしの
はずなのにおかしい うまく笑えないの
悲しみや苦しみを取り除いても幸せにはなれないという歌詞。
Netflixドラマ サイコだけど大丈夫(原題:사이코지만 괜찮아/It's Okay to Not Be Okay *大丈夫じゃなくても大丈夫)に出てくる絵本
『悪夢を食べて育った少年』を思い出しました。
↑めっちゃ高くなってる💸
それはさておき、この絵本の文を少し抜粋すると、
悪い記憶は消えたのに------幸せになれない
魔女は約束どおり 少年の魂を奪い
こう言いました
"つらかった記憶 激しく後悔した記憶
傷つけられたりした記憶 見捨てられた記憶
そういう記憶を 胸に抱いて生きるものだけが
もっと強く熱く そして柔軟にもなれて
幸せを勝ち取れるのだ"と
辛かったことや後悔したことは、
できるならば忘れたい。
私の場合は特に ”後悔したこと” にすごく囚われるし、
それが消えて無くなれば良いのに、と何度も思ってしまったり。
歌詞の中にあるように、もし
"悲しみを持たずに造られた" のであれば、
そもそも後悔や辛さが生まれない、と考えても良いはず。
なのに、その根本を取り除いたところで
"うまく笑えない"。
悲しみや後悔をなかったことにするのではなく、
心に持ち続けたまま生きるのはやっぱり辛い。
だけど、
そうじゃなきゃ幸せになれない…
これも経験だ、と思うようにしても、
そうやって少し進むことができたとしても、
うじうじ考えるのをピタッとやめることなんてできないし。
忘れるというか、
もう後悔しても、自意識を意識してもどうにもならないから、
いっそ開き直って元気に明るく生きちゃえば良いじゃん!
と思ったり。
でもそうしたら、
いつかバチが当たるんじゃないかと怖くなったり。
ダラダラ書いてても、
考えても結局解決はしないし。
それと
"うまく笑えない"って、
どこかに罪悪感があるってことなんでしょうか。
それとも、
何か同調圧力的な、重たい空気に押されて笑えないのでしょうか。
写真館とか記念撮影の時に、
"笑って!"と言われてるのに、笑えない、みたいなこともそうなのかな。
それって、誰かから笑ってもいいよ、という許可を得たいとか、そういうことじゃなくて、
自分が自分に対して "笑ってもいい" と言えるか、許すことができるのか、みたいな感覚に近い気がします。
🥱…🫧
話は戻って、
1番と2番のサビ前〜サビの歌詞を見てみます。
※ *のマークからサビ
[1番]
何千日もまだ 電子の海にいた
カラダを持たない 心だけがこだまする
*現実世界に 今今今今
ダウンロードして キミキミキミキミが
久しぶりだわ
手を伸ばして触れたいの
魔法みたいなものでしょ?
いつか解けるまでは いさせてよ
まず、1番では主人公が自分の感情について話しています。
自分の感情("久しぶりだわ"、 ”手を伸ばして触れたいの”とか)について話しているときは
"カラダを持たない 心だけがこだまする" 世界、
つまり形はなくても感情はある状態。
[2番]
ある日救われたの 電子の海の底
心を持たずに カタチだけで動く街
*恋をするなら 今今今今
ダウンロードして キミキミキミキミが
私の鼓動
きっと見つけてくれるって
魔法みたいなものでしょ?
いつか解けるまでは いさせてよ
次に2番は、もっと直接的に恋について触れていて、"キミ"に対する感情について話している、という感じ。
そして、この相手について話し出す直前には
”心を持たずに カタチだけで動く街” になっている。
自分の感情だけじゃなくて、"キミ" に関心が移った途端に心がなくなる(歌詞の中では)なんて、切なすぎる。
それに1番では
”何千日もまだ 電子の海にいた” のが、
2番では
その "電子の海の底" から"ある日救われたの" に、
心がなくなる。
何という仕打ち。
しかもそのあとの、
" 私の鼓動 きっと見つけてくれるって
魔法みたいなものでしょ? "
っていう歌詞、
可愛すぎませんか???
切なくできるだけ切なくしてから、
"キミ" に対する期待を抱くようになっちゃうのは..
ずるい。
ずるいというか辛い。
しかも、結局1番も2番も、
"いつか解けるまでは いさせてよ"
と、主人公はいつか魔法が解けることを知っているのに、でもそれを自覚した上で魔法にかかりに行ってる(?)のも胸が苦しくなる。
6.「すみっコディスコ」
映画「すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ」の主題歌。
すみっコぐらしが好きな人は、
“たぴおか”たちとPerfumeがコラボした”たぴゅーむ”に
心を打ち抜かれること間違いなし。
振付込みで
カワイイが詰まりにつまっているので、
↑アニメ版も見てみてください。キュートだね。
7.「Morning Cruising」
イントロの音がパキッとシャープで、
弾ける感じもあって、
朝の優しい空気と、攻めてる雰囲気が混ざった大人な曲です。
これ聴きながらモーニンングコーヒー飲みたい。☕️🏹
爽やかな朝というよりは、
夜明けから陽が出て来る直前の、
一瞬、暗さが増したところから、
パッと光が差してくる場面ぽい。
人は少なめ、
車で未来の高速道路を走っている、
辺りはまだ少し暗い、みたいな。笑
近未来感が強いコンセプトなのに、
なぜか懐かしさ、郷愁を感じる歌詞が素敵。
一節ごとの最後の
”So high, yeh”のところ、
伸ばして〜止めるっ!みたいな緩急がお洒落。
”眠れなくて”
→ "海が見える街へ"
→ ”朝焼けのカラー"
と、次々場所が変わっていく感じが好き。
朝に向かってはいるけど、でも歌の中ではずっと、
朝になる直前の、まだ少し夜の時間をループしてるみたいな世界観も好き。
8.「タイムカプセル」
パフォーマンスが加わるとどんな感じなんだろう?と気になる曲。
それと歌詞を読み返してみると、意外と夏の曲なんですね。
勝手に「Butterfly」パターンだと思ってます。
ライブで見ると、もっと好きになるやつ。
余談ですがP.T.A限定ライブの「Butterfly」の演出カッコよすぎた!
今でも頭から離れない。
"蓋をしてしまった" 日々や夢だから、
そこに"宝物" が "隠れている"だけからこそ、
それを ”呼び覚ますことができる”、という希望が持てる歌詞。
2番のサビ前の
画面には映った あの日の未来に帰るよ
という部分が、タイプカプセル感(時空を超えてる感)があって好きです。
9.「時空花」
イントロを聞いた瞬間、
急に世界がモノクロになった。
(良い意味で)
一瞬で映画の中に連れて行かれたみたいな感覚。
これ、ライブで見たら一気にネビュラロマンスの世界に引き込まれちゃうやつだ、きっと。
勝手な妄想ですが、この曲
NieR:Automataの世界でも超流れてそう。
だって、見てみてください。後半の歌詞が
太陽が二つ 光受けて
美しい時空の花
壊れる世界 抱き合う二人
強く 強く 強く 咲いて
”美しい時空の花”、
”壊れる世界”、
”強く 強く 強く 咲いて”
ですよ???
さらに”二人”っていうキーワードがあるおかげで、
2Bと9Sのこととか、
いや、A2と2Bのこととか、
アダムとイヴとか、
デボルとポポルとか、
なんならポッド042とかポッド153とかも、
考えるとキリがない。
とにかくライブで見るのが楽しみです。
10.「メビウス」
ラストで疾走感のあるこの曲は、
絶対盛り上がる気しかしない神曲!
歌詞も曲調も盛り上がるところも、
サビの締めの感じも全部好き。
ダンスあるのかな?
ダンスしてるのめっちゃ見たい!!
最後の最後で、全員助けてくれるヒーロー(ヒロインか?)現る!という雰囲気がビシバシ伝わってくる(気がする)曲です。
歌い上げる感じの歌声も素敵。
急に人間味が増すような。
気になるのは、
永遠誓うように 廻る二粒の衛星
惑星じゃなくて衛星というところが、一緒に廻っている状態を表しているような。
それと、この曲は特に「違う世界に連れて行くよ」感が強くて、
このアルバムが「前編」なら、「後編」に続くのを示しているようです。
後編も今から待ち遠しい。
吸い込まれるように 時間さえ掴むわ
(略)
抜け出せないわ 甘い星まで
しかも、その違う世界に吸い込まれて、そこから抜け出せないような設定(?)もあり。
甘い星ってどこなんでしょう。
気になる気になる。
この曲の中で圧倒的に好きな部分が、
Space girl キミのマジック
夢の中へ 果てへ
Space girl そうねロマンティック
宇宙(そら)の中へ 果てへ メビウスの輪
このサビ!
特に、"夢の中へ果てへ”、”宇宙の中へ果てへ”の部分。
この ”果てへ” の ”は” で、少し空気が押されるような、でも強めの音の感じがすごく好き。
(「IMA IMA IMA」の ”魔法みたいなものでしょ?” の "まほう" の "ほ" の部分も同じ理由で好き。ハ行の強めの音、最高。)
それから、
”メ・ビ・ウスの輪〜♪”
という締めの部分も、絶対に好き。
ここで決めポーズしてほしい。
…..
以上です。
(*全作詞・作曲:中田ヤスタカ)
このアルバム好きな方がもしいたら、(このアルバムと言わずPerfume好きな人がいたら)めっちゃ一緒に喋りたい!笑
それと、ずっと積読しちゃってた、
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↑これもこれから読みます。3人とも美しい。
ライブが待ち遠しい!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。