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連作掌編その2

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心の友である図書室の彼についてのお話です。
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#読んだ本

星を見る日々

図書委員の彼からのメールは毎回長文で、わたしの返信に答えるでもなく、自らの日々の断片を知らせてくる。群れるのが好きではないクールな彼は、休み時間は教室を離れて図書室に向かうと言う。友達がいないわけではない。むしろ家に泊まりに来るくらいの仲の友達が数人いるらしい。本当のところはクールなのではなく偽クールなのだそうだ。学校では仮面をつけて本当の自分を守っていると言う。

そんな彼が別のクラスの目立たな

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