千歳千鳥舎
設定や物語の一部のまとめ
『イーヴァ』は誰かのあこがれの土地。夢の中のような場所。 半分うちがわで、半分がそと。 昼と夜が同じ時間にあって、季節は春と秋しかない。 すぐそばにあるのに、気づかない半透明の場所。 その世界に住む「住人」と「お客さん」と「訪問者」の絵物語です。
昼の世界は3人の魔女が見守っています。 弟子がいますが、なまけもので困っているとか…。 キノカラス ≪昼≫のイーヴァをすべて見とおすことができる、魔女のキノカラス。 彼女はイーヴァの光すべてなので、なかなか空から降りることができません。 ヘリオトロープに頼んで、あたらしいすてきな風景を うつしとってきてもらいます。 アオアラシ 魔女のアオアラシはイーヴァの風と空気そのもの。 空を飛び回り、気分がのれば踊りだします。 ひゅるひゅると回りだせば、まわりの雲がまきこまれ
おれたちは遠くに見える【島】の見張りをしている。 住人どもには『釣り人』といわれるほうが多いが、 それは主にしている仕事のおまけのようなものだ。 あの【島】に在る街は、ときおり光を帯びて輝き やがてそれらが ≪羽根魚≫という形になって、 街から空に舞い上がる。 大群になることもあれば、 1匹だけ空を泳いでいることもある。 放っておくと≪羽根魚≫ は街へ戻り、数を増やして再び空へ舞い上がる。 それを繰り返していくと街に大きな影が落ち、暗く、黒くなっていく。 おれたち
ベンジャミンが好きなのはちょっと寒いかなと感じるくらいの 《晩秋の昼》にある書庫。 ほどよい涼しさが目を覚まさせ、 珈琲を一層美味しく感じさせてくれるそうで おともには必ずバニラとショコラのドーナツを持っていく。 さて、秋にあるなら、春にはないのか? はい勿論あります。 ただしこちらは少し涼しいかな、と思うくらいの心地のよい 《早春の昼》にありますので、 たいがいこちらにくる人は、本を読む名目で、 あちこちにかけられたハンモックに揺られ 気持ちの良い眠りを求めにきているよ