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「ロボットづくりは、ひとづくり。」プログラミング教育の必要性を考えるセミナー・レポート|追手門学院福田先生

「ロボットづくりは、ひとづくり。」

セミナーの最後、福田先生はこのように締め括られました。

ロボット・プログラミングで活きる子どもたちがいる。ロボットの世界大会などに出場し、堂々と世界に挑む姿を目の当たりにすることができる。ロボット・プログラミング教育を通して子供達が賢く成長して行く。

それが20年間ロボット・プログラミング教育を普及してこれらた福田先生の原動力になっているのでしょう。

「出会いを大切に」

25年前、福田先生が前職の奈良教育大学附属中学校教諭時代にアメリカ人の理科教師であるIbarra氏に出会ったところからロボット・プログラミングの道を歩むことになります。テストで点数が取れる教育ではなく、サイエンス思考ができる生徒を育てたいと考えていた福田先生は、Ibarra氏の

子どもに魚を与えたら、その時はお腹いっぱいになる。魚の釣り方を教えたら、一生飢えることはない。

という言葉に共感し、仲良くなったと言います。そのIbarra氏の誘いでロボット・プログラミング教育に取り組むようになり、ロボットの世界大会で会おうと約束したそうです。

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その後、アメリカNASAの教育プログラムに果敢に応募し、教育補助金を得ることができた福田先生は、自ら指導するロボット・サイエンス部をロボットの世界大会に導き、総合優勝を含め毎年優秀な成績を残されています。

ロボット・プログラミング教育の目的とは

文部科学省は2020年度から小学校でプログラミング教育を「導入」、2010年から始まった中学校のでプログラミング教育を2021年度からさらに「充実」させ、2022年度から高校で新教科「情報Ⅰ・Ⅱ」を実施、さらに大学入学共通テストで「情報Ⅰ」を採用する方向で動いています。

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文部科学省がプログラミング教育に力を入れている理由は、単にプログラマーを育成することが目的ではなく、プログラミング活動を通して「考える力」をつけることだと言います。

実際、追手門学院大手前中・高等学校のロボット・サイエンス部では、ロボットづくりを通して、様々な社会問題について考えています。例えば、盲導犬の数が足りないという問題から盲導犬ロボットを作ったり、海洋環境問題から海上ゴミを回収するロボットを作ったりしています。

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様々な問題を解決することが目的で、ロボットづくりやプログラミングはあくまでもツールである。

福田先生はこのプログラミング教育の目的を理解した上でプログラミング教育を実施することが大切であると力説されています。

プログラミング教育導入の社会背景

30年前の日本の企業は世界的に大きな力を持っていました。平成元年の世界時価総額ランキングではTop50に33社もの日本企業がランクインしていました。しかし、その30年後にはトヨタ自動車の1社のみがランクインし、トップは30年前には存在していなかったIT企業が名を連ねています。

時価総額ランキング

出典:STARTUP DB 

Society5.0時代、会社の上司がAIに取って代わると言われています。しかし日本のプログラミング教育は完全に遅れており、福田先生は、将来どこの国のAIに管理されるのかを非常に危惧されています。

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プログラミング教育は必要?

日本にはたくさんの「プログラミング教育」「キャリア教育」「モンテッソーリ・メソッド」「フィンランド・メソッド」など数々の「〇〇教育」「〇〇メソッド」が存在します。どれも大切ですが、福田先生は「あなたが□□□になって□□□した教育に勝るものはない」と言います。

福田先生が伝えたかった最上の教育は何だと思いますか。

セミナーの動画はオンラインサロンTeacher2.0内のアーカイブで視聴することができます。noteを読んでいただいた方は初月半額キャンペーンを行っています。ぜひこの機会にTeacher2.0へご参加ください。

https://www.iueo.or.jp/teacher2-0campaign

参加者の声

福田先生のセミナーに参加して、何事にも果敢に挑戦する勇気をもらった参加者も多くいました。

参加者の感想の一部を紹介します。

横のつながり,チャレンジの大切さをあらためて学ばせていただきました。ありがとうございました。
世界と比較し、今後必要なスキルの1つであることが実感できました。準備に時間がかかったり、新しいことを始めるのは勇気やエネルギーが必要ですが、現状に甘んじず挑戦していきたいですし、一緒に成長できる仲間を増やしたいと思いました。
「応募する」いろんな場所に働きかけることで、支援してくれる人と出会えたり、客観的評価が得られるかもしれないと思いました。学内だけでなく、広く働きかけ、横のつながりを増やすことでより成長できることに気付けました。

最後に

福田先生に影響を与えたIbarra氏の言葉です。

あなたは今、小さな部屋にいる。ドアは少し開いている。①その部屋にずっといるのですか? ②ドアを開けて新しい世界に立ちますか?

あなたはどちらを選択しますか。

福田先生の紹介

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福田哲也(追手門学院ロボット・プログラミング教育推進室 室長)

教科は理科。前職の奈良教育大学附属中学校ではじめたロボット・サイエンス教育を、 追手門学院大手前中学校で正規の授業として導入。これまで、ロボット・サイエンス部の顧問として、世界規模のロボコンに挑戦し、世界大会優勝など数多くの入賞を果たすなど、ロボット教育のパイオニア。2度の文部科学大臣賞を受賞。 日本のロボット・プログラミング教育の普及・啓発を目指して、ロボット教育のカリ キュラム監修や出張講義などにも取り組む。
(著書)
理科の指導計画作成と授業づくり-中学校新教育課程- (明治図書)
新学習指導要領の展開 理科編 (明治図書) 他
(教育誌)
「ミライノマナビ」コラム(連載中) ~今、なぜロボット・プログラミング教育が必要なのか~


Written by Makoto Wakita@IUEO


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