読書ノート②
日露戦争と日本人/鈴木壮一 著
某金塊争奪戦マンガが好きで明治時代に興味を持ちました。関連本としてアイヌの書籍が一冊未読なので、今後読むつもりです。
難しい漢字や用語にかなり苦戦したり、そもそもの明治陸軍についてサッパリ理解していなかったので、実際、読み始めて3ヶ月くらいになり途中忙しくて読むのを中断したものの、無事読了しました。
前述したマンガには当時陸軍最強の第七師団(北鎮部隊)が出てくるのですが、そのキャラたちが猛者ばかり。マンガの時代背景は日露戦争の約2年後の物語なのでガッツリ戦争中というわけではなかったものの、やはり知りたい欲が出ました。
当初、司馬遼太郎氏の書籍を読もうと思って、古本屋で一冊購入してみたのですが、正直ビギナー向けではなくて色々探して、鈴木壮一氏の書籍に出逢いました。
うん、何も知らない私ですらわりと流れが掴めるくらい読みやすかった。
歴史書全般的にいえますが、予備知識があることを大前提で書かれているものばかりなので、目からウロコでしたね。
(ただし昔の人の名前の読みや用語、地理は未だに難しい、無理笑)
鈴木氏は元々、司馬氏の大ファンなので司馬氏の考察をしっかり把握したうえで研究してこの本は書かれています。
ですが、司馬氏とは違う(とくに乃木希典)解釈をしたこと、司馬解釈への否定をしていることでアンチ司馬と捉えられがちなようですが、そうではなく、司馬氏に敬意を表し自ら研究したことで新事実に辿り着いたのだと思います。
確かに鈴木氏の書籍を読んでからすぐ司馬氏の書籍を読もうと私は思えない。けれど、ある程度流れを把握し、自分の中で収めたうえでならいつか読みたいと思います。
バリ山行/松永K三蔵 著
第171回芥川賞受賞作。いまとても注目されているのではないでしょうか。
この書籍はたまたま芥川賞“候補作”として様々な本の中で、あらすじを読んで一番興味をそそられた作品でした。
(詳しいあらすじはこのあとAmazonのURLを貼るのでそちらからどうぞ)
文体がとても読みやすくてとっつきやすいなというのが第一印象です。
小説自体を久しぶりに読んだので、新鮮だったし内容も面白かった。舞台が六甲山なので関西人の私はちょっとニヤニヤしました(笑)
そもそも『バリ』ってなに?と調べると、登山用語で『バリエーションルート』の略称とのこと。『バリルート』ともいいます。
ざっくり言うと通常のルートから外れて誰も行かない道なき道を進むことだそうです。ただやはり慣れていないと危険で、決して推奨されるものではありません。
感想に戻ります。
先ほど面白い内容だといいましたが、主人公たちの仕事に関して描かれているところは正直そんなに面白い印象はありませんでした。個人的な感想なので人それぞれですし、登場人物が登山をする以外の日常に触れて背景を知り、だからこういう描写なのかというふうには勿論伝わってきます。
小説にはある程度の華やかさを読者としては求めるわけですが、特別ドラマチックな展開など無く、淡々と仕事と登山をすることで生まれる感情の描写がある、といった感じでしょうか。
読みやすいし面白い題材・内容ですが、おそらく私が普段読むジャンルではないから感情移入しにくかったのかなと思います。
なのでこれから読む方がいらっしゃったらまた全然違う印象になると思います。
色々言ったので酷評に聞こえたかもしれませんが、あくまで私の感想です。
全体的な文章構成がしっかりしているし、読んで損は全然ありませんので、是非一読してみてはいかがでしょうか。
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