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「繊細さん」の幸せになる方法 ⑦ 線が太くなる(小説あり)

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4歳の男の子が、家に来た。

お母さんの病氣が見つかったのと、お兄ちゃんとお姉ちゃんの受験のことでお母さんが大変なので、しばらく預かると決めたらしい。


お父さんは声が大きく、身振り手振りが大きい。こんな時でも、たまに笑顔も見せている。


一緒にいる男の子は頭のよさそうな顔はしているけど、ボーっとしているような、生氣のないような、何を考えているのか分からない。



とにかく大きいお父さんの声。怒ってないけど、「返事をしなさい」等と言うときは、たまにイライラがにじんでいる、ようにも聞こえる。

ああ、なんか、切ないな。。。

自分の子供の時に重なるな。。。

・・・イライラする。



うちで、しばらく預かるらしい。

龍之介というらしい。名前が強そうだ。

龍之介は、誰とも目を合わせようとしない。

「私は知らないよ。」

「勝手に預かったんだから、勝手にやりなよ。」

「私に迷惑かけないでね。」

と、いう言葉を飲み込んだ。



世のため、人のため、か。。。※1 「生き方」稲盛和夫より

今まで、

「〇〇だからやらない」

「何か言われて、嫌だからやらない」

「こんなこと言われて、きまづいからやれない」

で、結局、やりたいこともやりたくないことも、ことごとく、何もやらないで、正当化してきた。



逆に

「ここに置かないでよ!」→ 置く

「ちゃんと片付けてよ!」→ 片付けない

「手伝って!」→ 手伝わない

「なんで、黙って行っちゃうの?」→ 愛想悪い

「怒ってる?」→ 氣を使わない

「太っちゃうよ!」→ 食べちゃう


やりたいことは、なんと言われてもやっていた。

誰かになにか言われたから、やれなかった。は、間違いだった。


自分で、取捨選択していた。


だったら、やりたい、と思ったことで、笑われても、変だと言われても、やったほうがいいじゃん。と、お腹の底に、ストンと、落ちた。


本を読み終わった次の朝、そんな思いが沸き上がってきた。

誰かに言いたくても、うまく言葉にならない。

何か、ワクワクして来る感覚。



そんなことを思い返していたら、龍之介のお父さんが帰るところだった。

龍之介のお父さんは元氣で明るく社交的で、声が大きく、大股で歩く人だ。

なんか、母に似てるよなー。それで、龍之介は・・・




「お父さん、いい人だよねー。ハッキリしててさ。あれはエリートだよね。お兄ちゃん、お姉ちゃんたちは優秀だからねー。」まったく悪氣のない母。


出た。

自分「は」優秀、他の子どもたち「は」優秀。・・・はいはい。


「でもさー、あんたたち、なんか似てない?」と、龍之介を見ていて、母が笑いながら言った。

ギクリ。ドキッとして、冷や水をかけられたように感じた。

「なんで、そんなこと言うのよ!!」

「いつもいつも、お母さんは!」

カーーーッと、頭が真っ白になった。



「なんでそんなことで、急に怒るの?変な子だね!」

「変な子?はあ?自分が何言ってるのか、分かってんの?」

「変だから、変ていっただけだよ。急に怒りだして。」

「お姉ちゃん、やめなよ。お母さんだって悪氣があったわけじゃないんだから。」妹がとりなそうとする。

「うるさい!何にもわかってないのに!」

「だって、お母さん、別に悪くないよ。それに、龍之介が驚いてるよ」

「なんなのよ!もういい!!」


「なに、また有希をイジメてるの、やめてよ。」父が来た。

母の頭に血が上る。

「イジメてるって?私が!?有希が突然キレだしたんじゃん!ただちょっと、似てるね、っていっただけで、急にキレだして、変だよ!おかしいじゃん!」

「あんたの育て方が悪いんだから、しょうがないじゃん」と、父

「どうせ、大した人になるわけじゃないんだから。」

ちびまる子ちゃんの父、ヒロシが言うセリフ、「どうせなるようにしかならねえよ。」的なセルフだ。


ちびまる子ちゃんの中では、まる子大好きお祖父ちゃん友蔵が「そうじゃそうじゃ、まるこはなるようになるんじゃ。」とか言い出し、結果、丸く収まる。


がしかし、内山田家には、そんなお祖父ちゃんもいないわけで、そのまま炎上に突入する。

「何言ってんの!そんなこと言ってんじゃないよ!いっつも変なこと言って!」と、母。

「はいはい、私は変ですよー。」と父。

父は人よりそこそこ成功している方だと思う。

なのに、なぜか自己肯定感は低く、何かというと、どうせろくなもんにならない、と言うのが口癖だ。


「未希(姉)だって、将来すごいことになるんじゃないかって、みーんな期待したけど、結局専業主婦じゃん。どうせ大した人になるわけじゃないんだから。あきらめなよ。」と、父。

すでに酔っぱらっている。

姉は子供の時から、何でもよくできた。

私とは正反対の優等生の人氣者。

そして母は、私も子供のころは何でもできるのが当たり前だった。結婚してからこんなことを言われるようになった。と、念仏のように繰り返し言っている。


父と母の喧嘩は、まだ続いている。

「はいはい、なんでも私が悪いんだよ!」バンッバンッ!と、母

「もう、やめなよ。お父さんもお姉ちゃんも、言いすぎだよ。お母さんだって、いつも頑張ってるじゃん。」と、妹。

この両親は、いつも誰かが間に入って機嫌を取らないといけないルールがある。

ちなみに妹は年が離れているからか、両親の溺愛のもと、一人っ子のように育っている。

いつも明るく元氣で、自分が常に一番でいたい!というアグレッシブなエネルギーに満ち溢れたタイプだ。

「・・・もういいよ」

・・・なんか、いつもこう。何十年も、変わらない。子供の時は、このやり取りが面倒で、ずっと、何も言わずにやり過ごしていた。



いつのまにか、憎しみのようなしこりが、お腹に溜まっていた。

大人になってから、やっと、母の言うことを聞いていても人生は上手くいかない、と、氣づきだした。

それからは、この繰り返し。

「よくないよ!いつもいつも!私が悪いって?」と、母

「そんなこと、言ってないじゃん。もう、いいよ。」何を言っても、通じない。

「よくないよ!いつもいつも、私が悪いっていえばいいと思って!」止まらない母

「そんなんじゃ、龍之介が可哀そうだって言ってんだよ!」と、私。

「はあー?じゃあ、あんたの思い通りに育てなよ!私は知らないよ!」

「出たよ。私は知らないよ。どうせ、明日にはケロッとして、世話焼いてるんだから。もういいよ、有希、寝ろ寝ろ。」と、父



「なにそれ!あんたがやりたいように、そのこを育てなよ!私は知らないよ!」

「なにそれ。意味わからない」もう、やめないと、龍之介が可哀そうだ。

「それだけ言ったんだからね!責任もちなよ!あんたが見れないときは、お父さんに頼むんだね!」

「やめなって。そんなの無理じゃん。お姉ちゃん、言いすぎだよ」と、妹

「あんだけ言ったんだから、自分で面倒見るんでしょうよ!」ふんっと、母

「もういいよ。」

私はそそくさとその場を去る。



お風呂から出ると、リビングでは、母と妹、父が楽しそうに、笑いながらテレビを見ていた。

「あーはっはっはっ!面白いねー!なに、この人!」母

「あはははは!これこれ、お父さんも、うわっとか言って!」妹

「これは、どこそこの・・・」父

「・・・」私は無言で部屋に向かう。

龍之介も一緒に来た。

「寝ようか」

うなづいた。


いつも母とけんかをすると、大抵お気に入りのマンガを何十冊も読み、眠くなるまで読み続け、泣いてスッキリして何も考えずに寝て、次の日を迎えていた。今までずっとそうしてきた。


でも、龍之介の前でそんなことはできない。

龍之介に読み聞かせとしてあの本を読んでみた。



運のいい人はものすごく苦労する道を選ぶらしい。

そんなこと、考えたこともなかった。。。※参考渡辺昇一一日一言


運が向こうから、お客のように来るんじゃない。すべての幸福や幸運は、自分が呼び寄せなければ来やしない。

やさしくいうと、幸福や幸運は積極的な心持ちの人が好きなんだ。

と、書いてあった。※参考ほんとうの心の力中村天風


たしかに、成功していても嫌な奴は五万といる。だけど共通して積極的、エネルギッシュだと思う。

そうか。

周りの人を喜ばせようと思うことこそが人生をよくする※心と生き方稲盛和夫



褒めてくれなくても怒らず、むしろ、人に氣づかれないように良いことをして徳を積んでおく。

※あとからくる君たちへ伝えたいこと鍵和田秀三郎

なるほどね。。。。

感情的、感傷的にならずに線が太くなる。もう悲しまない。怒らない。妬まない。正直。親切。愉快に。

心が変わると人生が変わる。この気づきが人生を明るくしていく第一歩だった。


「繊細さん」の幸せになる方法① 怒ったら怖そう、という雰囲気を出す
https://note.com/ittou_shoushi/n/nc8985fd5628d

「繊細さん」の幸せになる方法② 心の栄養になる本を読む。(小説あり)
https://note.com/ittou_shoushi/n/nc8985fd5628d

「繊細さん」の幸せになる方法③ 「こっそり」「機敏に」
https://note.com/ittou_shoushi/n/n71f57126bf10

「繊細さん」の幸せになる方法④ 「ターゲットにされない方法」(小説あり)
https://note.com/ittou_shoushi/n/n8dee32c508c2

「繊細さん」の幸せになる方法⑤ 利用されない。(小説あり)
https://note.com/ittou_shoushi/n/n03a8caf80774

「繊細さん」の幸せになる方法⑥ 「氣」を出す訓練、呼吸動作。(小説あり)
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「繊細さん」の幸せになる方法 ⑦ 線が太くなる(小説あり)
https://note.com/ittou_shoushi/n/n319955f0d3af

「繊細さん」の幸せになる方法⑧ 首と自律神経の関係。(小説あり)
https://note.com/ittou_shoushi/n/ne0550193b204

「繊細さん」の幸せになる方法⑨ 「繊細さん」は冷えやすい?
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「繊細さん」の幸せになる方法⑩ 幸せそうなツヤ顔になる!方法。(小説あり)
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「繊細さん」の幸せになる方法⑪ 「氣」を出す4つの方法
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「繊細さん」の幸せになる方法⑫ お腹を温め、リラックスする。(小説あり)
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「繊細さん」の幸せになる方法⑬ 遺伝子と上手に付き合う。(小説もあり)
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「繊細さん」が幸せになる方法⑭ アロマオイルでリセット。その方法。
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「繊細さん」の幸せになる方法⑮ 心を向ける。(小説あり)
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「繊細さん」の幸せになる方法⑯ 出し切る。(小説あり)
https://note.com/ittou_shoushi/n/naf9b000c9724

「繊細さん」の幸せになる方法⑰ 不利な状況をいかに生き抜くか。(小説もあり)
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「繊細さん」の幸せになる方法⑱ 「氣」が出る体にする。
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「繊細さん」の幸せになる方法⑲ 子供のころの自分を癒す。(小説あり)
https://note.com/ittou_shoushi/n/n4e68c400b509

「繊細さん」の幸せになる方法⑳ ちかん、セクハラ対処法。(小説あり)
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「繊細さん」の幸せになる方法㉑ 「氣」を送る。(小説あり)
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「繊細さん」の幸せになる方法㉒ おとなし組と、わんぱく組に分ける(小説あり)
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「繊細さん」の幸せになる方法㉓ どうにもできないことを経験する。(小説あり)
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「繊細さん」の幸せになる方法㉔(おわり) 論語と短歌と俳句 大人も子供も一緒に。(小説あり)
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