【解説】竹田青嗣『欲望論』(14)〜「身体」の本質観取①
1.「快−不快」「エロス的予期−不安」 ここからは、『欲望論』第2巻の内容を紹介・解説していこう。
第1巻では、意味や価値の本質を解明するための現象学ー欲望論的方法が明らかにされたが、第2巻では、それを実際に展開し、「身体」「善悪」「美」「芸術」などの本質観取が行われる。
今回は、まず「身体」について。
これは、第1巻の最後(前回)ですでに取り組まれていたテーマである。竹田が取り出した「身体」の3つの本質契機を、改めて確認しておこう。
(1)私にとって、身体は「