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車窓から見た景色は

私は小さい頃から本を読むのが好きで、ひらがなが読めるようになった3歳頃(早いでしょ?)には、イソップ物語や日本昔ばなしから1話ずつが冊子になっていた、小さな本を毎月3冊買ってもらい、「読む」楽しさを味わっていた。

小学生になると、「誰がこんな厚い本読むの?」と驚きつつも、ハリーポッターシリーズは全作読破した。

仕事を始めると、仕事内容に関する書籍や哲学書を好み、手に取るようになった。
こんなに電子化が進み、気軽に読めるようになっても、紙媒体の本とは離れられないようだ。

そんな私のところにも、星野源さんのエッセイ集「いのちの車窓から2」が長旅をしてやってきてくれた。
前作の時は、まだそこまでハマっておらず、後になってから購入したので、今回の発売に関しての一連の告知などの祝祭感に気持ちが高揚していた。

その高揚感そのままに、気づいたら1冊読み終えていた。ずーっと胸の奥がツンとしていて、でもニコニコしていて。さらに読みやすくなったなぁ文章が、と思っていたら"感情や感想を細かく書きすぎない"ことを意識したそう。
新作4篇と合わせ、ダ・ヴィンチで連載分も、加筆修正されている。"てにをは(助詞)"まで変えてあるとこある。タイトルが変わったものもある。前作の時は、そもそも連載読んでなかったので、書籍化されるとこんなに変わるのか!とその仕事っぷりに驚いた。

あと、ダ・ヴィンチでも読んだことあるエッセイでも、新鮮に読めている自分の記憶力にも驚いた(笑)いやでも、ほんの少し言葉が変わるだけで受ける印象が変わるんだね!それは感じたわ。

2016~2017年頃と言えば、私自身も変化があった年。仕事は異動があって、息子は小学生になった。熊本地震も起きた年だ。
源さんのエッセイを読みながら、自分もその時期のことを振り返ってみた。
"感情"の部分を削ぎ落として書かれたエッセイは、読み手にも追体験をさせることで、その想像をさせ、その出来事の中に引き込んでいく。書かれた当時の温度や湿度が真空パックされて保存されていて、読むと放たれるような、そんな感じ。直接書いてなくても、源さんの感情的なものが感覚的に伝わるんだよねぇ。

"家族"のことも後半には当然ながら出てくるわけで。生活の中にそっと居る感じが、わざとらしくなくていいなぁって思った。
2人とも恥ずかしがる感じも。
(どんな感じでこのエピソードを書いてもいいか相談したのか、こっそり聞きたい 笑)

なんにも特別なことなんかじゃなくて。
日常生活の一部として
星野源という人
新垣結衣という人
がいる感じ。
またどこかで登場してくれたら嬉しいね、くらいでね。源さんにとって結衣ちゃんが支えとなったように、結衣ちゃんにとっても、源さんは家族としてパートナーとして支えになっているだろうしね。

しかし私はこれから「喜劇」を聞く度に泣いてしまうだろうし、MVに出てくるサンドイッチ見ても泣いてしまうだろうね。推しの活動を側で支えてくれる伴侶に出会えたこと、そのほんの一部を教えてもらえたことの喜びと尊さと愛しい時間を想像してね。



全部読んだ感想としてはね、源さんというフィルターを通して見た(見せてもらった)世界は、こんなにも温かくて優しくて光のある世界だったんだなぁということ。

生きるのは辛い。本当に。
だけど、辛くないは、生きるの中にしかない。

いのちの車窓から2「出口」より

こう書いてあるように、生きているからこその「辛さ」はある。でも、日常のほんのちょっと見上げた先にある桜や虹や綺麗な花に私たちは希望を持つこともある。
生きていくことの尊さや愛しさ、日常の中のほんの小さな大切なことに目を向けることの面白さを改めて感じたし、生きてさえいれば立ち止まってもウロウロしても迷ってもいいんだよ、って今の自分も肯定してもらえたような気がして、読み終えてからポロポロと涙が溢れた。ひとりだけど"独り"じゃない、そう感じた。

あと、表紙も中のページも全部紙質とにおいがいい!私は本の「におい」が好きで、ページをパラパラッと捲った時の、ほんのわずかな風圧でくる紙の香りがたまらなく好きなので、手元に届いてまずは香りを楽しんだ。

ぜひ、多くの人に手にとってほしい。
「いのちの車窓から1」を読んでいなくても、連載ものではないので全然読める。少しでも興味を持たれた方はぜひ。

最後にこれだけ。
星野源好き!!長生きしてほしい…。私も長生きする!!1つ1つの活動大事にしていく星野さんを大事にする!!
源さんの車窓を通して見せてもらえた景色、最高でした。同じタイトルでの書籍はもうないと思いますが、また違った形で源さん書いた文章に触れる機会があることを楽しみに、「いのちの車窓から2」何度も読み返したいと思います。

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