まっさら
考えていると、たまに頭の中が白くなる
そこに文字が浮かぶけど
誤字脱字がひどくて、推理が始まる
たまにひどい言葉だったり、子供が書いたような
落書きにも似たフォントの文字だったりする
でも、必ずそれは、いつか読める
心の奥には
自分の辞書があって、どれも理解した言葉だし
使い所を選ぶくらいには、使いこなしてる言葉
でも、あるひとつをその辞書で引こうとすると
虫食いになってるページが出てきて
読むのをやめてしまう
ただひとつ、わからない言葉がある
厳密には、わかっていた言葉
どうも自分の気持ちを表現するには綺麗すぎる、
自分の状況を的確に表現し過ぎて嫌になる、
そんな言葉がある
今君の屈託のない笑顔を見て、
また辞書を引く
今君の無邪気な足取りを見て
また辞書を引く
今君の薄黄色の声を聞いて
また辞書を引く
そして、まっさらなページに辿り着く
そこには書きたい言葉があって
でも白色のペンしか持ってない
この色がいつか色づくまで
僕はまっさらに表現する