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ブローノ・ブチャラティを西洋占星術で分析してみた

ブローノ・ブチャラティとは「ジョジョの奇妙な冒険Parte5黄金の風」の登場人物です。2次元キャラですが、作者の荒木飛呂彦先生は全ての登場人物に生年月日を設定されているのでホロスコープを作ってみました。

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ブローノ・ブチャラティ

1980年9月27日 イタリア ネアポリス生まれ

(概要などピクシブ百科事典より引用)


〜概要〜

主人公ジョルノ・ジョバァーナともう一人の主人公。ギャング組織「パッショーネ」の一員。縄張りを仕切る下部チームのリーダーから幹部に昇進。同時に護衛チームとしての任務を与えられる。麻薬組織の取引現場を目撃した因果で父親が死亡、麻薬に対して強い憎悪を抱いている。


〜人物〜

冷静沈着、頭脳明晰で部下思い。どのような困難にも立ち向かっていく強さを持つ。温厚で責任感の強い人柄は衆目の一致するところであり、一般市民からも気さくに挨拶され相談を受けることも多い。状況によっては殺人も辞さない冷酷なギャングでもある。

“彼の基本的な性格は父親から受け継いだ「やさしさ」である。父親の一途な家族愛が、彼を作った。ギャングの世界に入っても、街の人たちはブチャラティの性格を慕い頼ってくる。しかし運命において、その「やさしさ」が弱点となった。”(ジャンプコミックス63巻より一部抜粋)


====以下、占星術によるブチャラティの特徴的なアスペクト抜粋

◆天秤座の太陽が土星と合

父の影響が重荷だが、それを受けて思慮深く真面目な人物となる。苦い経験が慎重な性格となり、自分にも他人にも厳しい。正義感が強く、仲裁・調整能力がある。天秤座はさまざまな人と知り合い、個性を比較して洗練された生き方を目指していく。親に頼れない環境が、強く賢くならなければいけない生き方となったのでしょう。


◆天秤座太陽と獅子座金星がミューチュアルリセプション。金星ドラゴンヘッド合

存在がゴージャスで目立ちリーダーになりやすい。金星があると全方位に魅力的。占星学で天秤座は風のエレメントであり「黄金の風」というタイトルは偶然にも彼を象徴しているようです。


◆天秤座水星・冥王星合、獅子座金星、射手座海王星が小三角。天秤座には土星・太陽・冥王星・水星と4天体のステリウム

闇のあるカリスマ。気高い。天秤座には土星、太陽、冥王星、水星と4天体がありステリウムとなっとなっている。洞察力があり、関係性を客観視するために意見を求め、比較検討しながら理想的な集団社会を作ろうとしている。


◆牡牛座の月が蠍座の火星と衝。獅子座金星とTスクエア

幼い頃は安全な世界に守られ穏やかに過ごしていられたが、成長するにつれ強くなることを迫られる。常に緊張していてのびのびすることは苦手。気は短く爆発することはあるが、根に持たない。華やかさがあり人の目をひく。あまりある魅力の持ち主。


◆Tスクエアに対し、乙女座木星が調停

ハードワークをこなし、人の役に立つことや優れた危機管理能力で問題を解決できる人。また牡牛座の月がキロンと合なので、専門分野を持って働くことで傷ついた心を癒し調和を図っていく。

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====年齢域でみるブチャラティの過去


【年齢域0〜7歳=月】

◆漁師の息子として生まれる。漁で使う網を繕ったり、張り巡らせたりして父の仕事の手伝いをしていた。母との会話が好きで、寝る前に読んでもらう本が楽しみな穏やかな子供出会った。 

→月が牡牛座

幼年期は穏やかで心地よい生活を送っていたようです。



◆両親が離婚する際に父と暮らす道を選ぶ。母は自力で生きていけるが、父は自分がいなければダメになってしまうと考えたからである。

→牡牛月キロン合・蠍火星天王星合・獅子金星のTスクエア

愛する母を失う痛みと父のために強くならねばという葛藤が芽生える。



【7〜15歳=水星】

◆12歳になったある日、父は釣りに行きたいという二人組の男を小島まで乗せて行くが麻薬の取引現場を目撃してしまったため銃撃され、意識不明の重傷を負ってしまう。ブチャラティは口封じに襲ってきた彼らを殺め、12歳にして殺人犯となる。裁判では正当防衛を認められたが、自身と父親を守るためにギャング組織「パッショーネ」に入団した

→天秤水星冥王星合・獅子金星・射手海王星の小三角。

恐ろしい体験のため配慮と洞察力を身につけ、深い「運命」の波にのまれていく。



【15〜24=金星】

17歳になった頃、父は後遺症を残したまま死亡。

→天秤太陽土星合、牡牛月キロン合・蠍火星天王星合・獅子金星のTスクエア。

もう子供ではいられない。孤独が胸に刻まれた。


以来、運命を狂わせた麻薬から人々を守るギャングとして行動するようになるが、ボスが麻薬に手を染めていたことを知り、組織に疑問を感じるようになる。麻薬を憎みながらも流通させる為に働く矛盾。「生きながら死んでいく」毎日。

→蠍火星天王星合が牡牛月キロン合

心の傷を持て余し、諦めることも進むこともできない苦悩の日々を過ごすことに。



◆ジョルノと出会い「街から麻薬を撲滅する為に、ボスを倒して自分が組織を乗っ取る」という『黄金のような夢』にブチャラティは賭ける。そして彼は自らの志を全うするべく、命懸けの戦いに身を投じてゆく。


→調停の乙女木星。

天秤座ステリウムのブチャラティにはジョルノ(天秤座と真逆の牡羊座)のようなパートナーが必要だった。のちにブチャラティはジョルノに出会ったことで「ゆっくりと死んでいくだけだったオレの心は生き返った」と発言。


→天秤太陽土星の合、天秤水星冥王星合・獅子金星・射手海王星の小三角。

土星には「責任」「組織力」、海王星には「夢」の他に「薬物」の意味がある。冥王星には「死」「地下世界」「破壊」など。ブチャラティに課せられた「運命」とは、薬物を扱う組織「パッショーネ」を改革し、町を守ることなのでしょう。・ボスから娘を護衛する任務を与えられ連れてきたが、理由が自身を脅かす者となるであろう娘を排除するためだとを知ると…「吐き気をもよおす『邪悪』だ。あんたは再びオレの心を裏切った」と表現し激しく怒った。

→天秤座太陽・土星の合。

親子の絆を粗末に扱うこと、裏切りに対する強い怒り。父親としてあるまじき態度のボスを「邪悪」と一刀両断する。



◆ボスの暗殺を試み大怪我を負ったが、娘を奪還し逃げ切る。力尽き消滅しかけ、ジョルノに治療されている時、ブチャラティの魂が教会から脱出するように警告した。そして生命活動が終了していたはずの肉体が突如起き上がり「急げ」と叫ぶ。世界を変えるために魂となっても戦いを続けていく。


→天秤水星冥王星合・獅子金星・射手海王星の小三角、牡牛月キロン合・蠍火星天王星合・獅子金星のTスクエア

不屈の男。不死身の男。命をかけて「麻薬が蔓延する世界」を変えようとしている。獅子金星には月・水星・火星と世代天体である天王星・海王星・冥王星がアスペクトしており、桁違いの影響力と存在感、精神力を発揮する。肉体の生命機能は失っても『「天」が許してくれた偶然の運命』と表現し、彼は戦い続けるのである。


→Tスクエアの頂点である獅子金星は天秤太陽とミューチュアルリセプション。ドラゴンヘッドと合。金星獅子座22度のサビアンシンボルは「自分の使命を果たす伝書鳩」

子供に麻薬を売るようなギャングを消し去ることが「使命」であり、覚悟を持って飛び込んでいった姿は人のために惜しみなく身を捧げる「伝書鳩」のようです。


→太陽天秤5度のサビアンシンボルは「自分の生徒に「新しい世界」を建設可能にする、内的な知識の基礎を明らかにする人」

ブチャラティは物語の途中で命を落とすが、ジョルノのスタンドの「生命エネルギー」で魂を体に結びつけられたため、最後まで戦うことができました。そしてジョルノが「パッショーネ」の新しいボスになったところで物語は終わっています。ブチャラティが夢見た「麻薬のない町」は「新しい世界」としてジョルノに引き継がれたことでしょう。ジョルノはブチャラティの影響を受けて人として成長した「生徒」だからです。ブチャラティは太陽天秤座を生き、魂となりジョルノと共に「黄金の夢」を叶えたのだと思います。


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ブチャラティのホロスコープを読んでみて、あまりにもブチャラティを表していたので驚いています。荒木飛呂彦先生は西洋占星術をご存知なのか、偶然だったのか…

先生は第5部のテーマについて文庫本のあとがきで以下のようにおっしゃっています。


“もし「運命」とか「宿命」とかが、神様だとか、この大宇宙の星々が運行するように、法則だとかですでに決定されているものだとしたら、その人はいったいどうすればいいのだろうか?そのテーマがこの第5部「黄金の風」の設定であり、登場する主人公たちや敵たちです。

…中略

彼らは「運命」「宿命」に立ち向かい、それを変えていく事なんてできるのだろうか?

そのことをずっと考えながらこの第5部を描きました。

…中略

「運命」とか「宿命」とかが、そんなに簡単に人間の努力とか根性とかで変えられたら、そんなの最初から「運命」なんて言わないと思うし、軽々しすぎる。そう思いました。”

ブチャラティの「運命」そして「宿命」は「麻薬が浸透した街を立て直す」ことで、ジョルノと出会いその覚悟を完結させることができました。


続けて、


“「運命」や「宿命」を変えようとはせず、彼らのおかれた状況の中で「正しい心」を捨てない事を選びました。正義の心の中にこそ「幸福」があると彼らは信じて。自然とそうなったのです。”


とおっしゃっていました。

今回ブチャラティを分析した西洋占星術では、太陽星座が持つテーマを「人生で向かうべきもの」としています。私は荒木先生のあとがきを読んで、「運命」や「宿命」とは12の太陽星座それぞれの「正しい心」のことだと思いました。

25歳くらいに金星期が終わり、太陽期に入る頃には多くの人が目標や生き方について考えると思いますが、もし自分が持つべき「正しい心」について迷いが生まれたら、占い師に聞いてみるのもいいかもしれません。

それにしても「この宇宙の星々が運行するように」というフレーズ、素敵です。

改めて「ジョジョの奇妙な冒険Parte5黄金の風」が興味深いものとなり、西洋占星術が持つ可能性の広さを感じました。

こんなに素敵な漫画を書いてくださった荒木飛呂彦先生に感謝いたします。

  

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