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コミュ障ママ山に登る

「趣味は、登山です」

なんて言われたら、すごくエネルギッシュな人なんだろうな、私とは違う世界の人かもしれないなと、やまのぼりを始める前の私なら思っていたと思います。

しかし、登山といっても低山のみです。
体力がなくて引きこもりがちな私でも、40分くらい頑張って進むと登頂できます。登山と書くと、本格的なイメージがあるので、「やまのぼり」と書きたいと思います。

やまのぼりを始めるきっかけは、うつ病になったことです。うつ病には自然の中で軽い運動をすると良いと聞いて、少し動けるようになったときに、自然公園で散歩を始め、慣れてきたら散策を始めました。うつ病になり、感情の中で喜びや楽しみ嬉しさ等の正の感情が一切なくなっていたのですが、山の中を散策したとき、癒された、幸せだ、という感情が出てきました。山の中にいると、とても心地が良い。それが脳内に記憶されたのです。それから、私は時々山に行くようになりました。日帰りで行けそうな低山を探しては、やまのぼりを始めるようになりました。

低山といえでも、山頂からの景色は非日常的で、自分の住んでる町が小さく遠くに見えると、月並みですが自分の悩みが少しだけ小さく、そしてそんなに重要じゃないような気がしてきます。また、山頂に建てられた標識を見て写真を撮ると、達成感と爽快感で満たされます。日々の生活の中でこういった感情になることはないので、私にはやまのぼりでしか得られないと思います。また、やまのぼりを始めてから、体力がついてきたように感じます。やまのぼりをした後の筋肉痛の痛さで実感しています。最初は、1億パーセント身体中が痛くて、翌日寝込んでいましたが、最近は寝込むことなく40パーセントくらいになりました。そして何より、やまのぼりの良いところは、不安にとらわれないでいられるということです。私は、不安障害があります。ああなったらどうしよう、こうなったら怖い、あんなことを言ってしまった等の、不安なことを、ずーーーーーっと考えてしまうタイプです。沸いては決して枯れることない不安の泉が、やまのぼりの最中は、見事に止むのです。不安へのトリガーがない非日常的な空間で、一人黙々と足を動かしていること、自然の中にいることで森林浴やマイナスイオンの効果により、そうなるのかも知れないです。

普段は引きこもりがちで、なるべく人に関わりたくない私の趣味はインドアものなばかりです。そんな私が、やまのぼりなどというアウトドアでエネルギッシュな趣味を持つようになるなんて、思いもしなかったです。やまのぼりの最中に人と全く関わらないわけではないです。登っている最中、すれ違う知らない登山者の方に挨拶をし、山頂で一言二言交わすくらいなのですが、これくらいのコミュニケーションが、私にはとても落ち着くのです。一人で始められる、運動不足解消になる、メンタルに良い。やまのぼり、私はおすすめです。

近くに低山がある方は、近くを散歩から始めませんか。ちょっと挙動不審な中年の女性に山で出会ったら、挨拶を交わしてみませんか。目線が合わないかもしれないですけど。


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